Syleena Johnson / CHAPTER 2: THE VOICE

(概説)

2001年度の最高傑作を残したSyleenaの2ndアルバム。リリース感覚が短いなーと思うほど早かったです。だが、そんな心配をよそにまたもや、最高傑作とも言うべき作品を届けてくれました。なにより彼女の特徴的なのは、その歌声！その低音でブルージーな歌声でますます聞き手の心を魅了してくれます。聞けば聞くほどその深みにハマっていく、そんな作品です。本作品は、リズムがしっかりした曲調が多くリズムが中心となっている楽曲が多く見受けられるのですが、そのリズムにとらわれることなく、自由な発想で、ボーカルアレンジメントをしているSyleenaの実力は素晴らしく、確かなものです。そして、メロディーラインを中心に作られた『I Believe In Love』(一押し！)が彼女の歌唱力の凄さをまざまざと見せ付けています。そう1stでは、歌唱力を打ち出すためにLiberty CityやR.KEELYとやった曲のようにメロディーラインが美しい曲が多かったのに比べ、2ndアルバムでは、今作品のTitleでもある、Voice！歌声に集中させるために、トラックはできるだけシンプルにリズムを重視した楽曲作りをしていて、最後に『I Believe In Love』でグッと歌声と歌唱両方で聞き手を引き込んでしまっています。凄まじい濃い一枚！全曲がオススメです！
　さらに、そして一曲一曲も無駄な部分をそぎ落とした時間の短い曲が多く、彼女の歌声だけに集中できるようにうまく作られています。この歌声一度聞けば必ずや癖になっていくことでしょう。彼女の歌声にSOULを感じてしまったら、もうあなたは他のアーティストじゃ満足できなくなりますよ。現在のシーンに媚びることなく自分の道を突き進んでいる、この確固としたスタンスが、ゆるぎない自信と、彼女の実力を感じさせてくれます。
　そしてなによりも、15曲目のBusta Rhymesとやった曲が今作品の注目点でもあります。この曲はCLUB仕様になっていて、こういうトラックでもSyleenaが十分耐えられることを世に示しています。この一曲で彼女の立ち位置はずいぶんと広がったことでしょう。ますます次回作が楽しみになる一枚です！オススメ！

(曲解説)

01.The Voice/intro

非常にFunkyで、ブルージーな曲調が印象的で、彼女の力強さを初っ端から、聞き手にたたきつけてくれます。DJ HitekによるすばらしいProducingで、彼女の歌声の力強さをうまく引き出しています。サビでのコーラスのキレのよさと、彼女のカッコいいボーカルが相まって、すばらしいできになっています。最後の終わり方も、囁き声が妙にざわざわと心をさせてくれます。

02.Faithful To You

非常に高度なVocalを聞かせてくれます。これほどの音数でここまで表現力のあるボーカルを見せられると、圧倒されてしまいます。SOULFULな歌声が聞く者の心をグッとつかんで離しません。バックボーカルも自身でこなし、そのバックボーカルも加わって、なんとも濃密な歌の世界が繰り広げられます。これでもかっていうぐらいに畳み掛けるように繰り広げられるボーカルが素晴らしいです。濃い曲です。

03.Now That I Got You

Smoothyなイントロからはじまる一曲で、コーラスの爽やかさと、彼女のボーカルの濃さが絶妙に混ざり合っています。テンポのいい曲で、しっくりと体に沁み込んで来ます。彼女決して力いっぱいじゃなくても、力強さを感じれるボーカルでの歌唱がものすごいです・・・ホント、彼女としては普通に歌っているんだろうが、押されてしまうような強さがあります。

04.Dear You

Carvin ”Ransum” Hagginsという人(本作のほとんどをProduce)が、Produceをしているのですが、結構単調なリズムで短めな歌です。でも、Syleenaの愛する人への気持ちを切々と歌ったところが、かなり聞き応えがあります。

05.Guess What

R.KELLYによるProduce！もちろんバックボーカルでも参加しております。前作とは違いMoodyな曲というよりも、優しさと力強さを感じれる楽曲をR.KELLYも用意しています。でも、しっかりとR&B的な要素を存分に取り入れており、じっくりと聞かせてくれます。気持ちよくなれる曲です。

06.I'm Go' Cry

最初のギターのサウンドが悲しげで、若干UPテンポな感じの一曲で、いままでの曲と違いサビに特徴があり、耳に残る感じです。ここでのTroy Corbinという人のSyleenaとのBack Vocalが印象的です。踊れるし、じっくり聞き込めます。この一枚での真骨頂といえる一曲！

07.Is That You

初のリズム音から聞き入ってしまうのですが、そこよりも、サビでの、リズムがなんとも面白い一曲。一定のリズムの中、Syleenaは、十分すぎる表現力を聞き手に見せ付けています。サビでのリズムの転調も効果的で、聞き手をハッとさせ、聞き飽きさせない曲で、アルバムの中でもここから曲調が転換するので、非常に重要な一角を占めています。後半へかけてのシャウトも力強く胸を鷲掴みにされる素晴らしい楽曲です。

08.Tonight I'm Gonna Let Go

シングル曲にもなった一曲で、JimmySealsの”Sweet Green Fields”という曲をサンプリングしています。そして、この曲が彼女の力強さを存分に引き出し、「ザザザ」という低音のリズム音と相まって、パワーのある一曲に仕上がっています！もう、女性でここまで力強いボーカルスタイルを持つアーティストは今はなかなかいないでしょうね。Syleena Johnsonというボーカルスタイルを生み出しています。Mike Dunnという人のProduceです！

09.If You Play Your Cards Right

爽やかなバラードなんですが、曲調がおもしろいです。サビでの音使い、Syleenaのメロディーラインどれをとってもオリジナルなんだけど、どこか懐かしい感じがする不思議な一曲です。気持ちよく体を揺らしながら、聞き入ってしまいます。そして、また後半からの伸びやかで太い歌声にただただ感服します。

10.No Words

初のStringが美しく、それを多い被すように、Syleenaの歌声とバックコーラスが響きます。彼女独特のうねるようなボーカルスタイルがここでも存分に発揮されています。そしてサビも蠢くような感じが出ていて、なんとも不思議な雰囲気の曲です。後半のギターも渋く決めていますし、何よりサビでのコーラスが耳に残ります。

11.So Willingly

一番普通っぽいというと語弊があるのですが、あ、他のアーティストでもあるかなーと思える曲ですが、ゆったりとした雰囲気で、Syleenaも落ち着いて気持ちよく歌っているように感じられます。

12.Guitars Of The Heart (Happy)

最初のJKによるギターが鮮やかな曲で、このJK(David Flemming)がProduceもこなしています。この一曲ギターとSyleenaの切なそうな歌い口が素晴らしくマッチした一曲。そう、Happyというサブタイトルとはちょっと違い歌い方はちょっと切なそうなんですね。ネットリと絡みつくようにギターのサウンドとSyleenaの声が絡み付いていく様は圧巻です。ギターも声もどちらも素晴らしい一曲。

13.I Believe In Love

力強いサビのメロディーラインが素晴らしい一曲！このアルバムはリズムを中心とした曲が多いのですが、この曲はメロディーを重視しており、1stの質感に近い一曲です！メロディーラインも美しく、彼女の歌声のよさもあって美しいバラード曲として仕上がっています！後半に向けての熱い盛り上がりも聞くものの心を揺さぶります。C.MajorとScorpioというProducerの曲は今作かなりいい感じです。アルバム本編を最後を締めるに相応しい素晴らしい一曲です！

14.Outro

このOutroもDJ Hi-TekによるProduceです！もちろんただのOutroではなく、ちゃんとした歌になっています。

15.Tonight I'm Gonna Let Go The Remix featuring Busta Rhymes, RAMPAGE, SHAM & SPLIFF STAR OF ATHE FLIPMODE SQUAD

これが、あのBusta RhymesをFeatした、CLUBでかかりまくった一曲！Bustaが絡むことでサビでの盛り上がりが一段と強くなって、踊れる一曲に仕上がっています。8曲目同様、サンプリングを使用しており、今回は、インストのところでは、Bustaの『Put your Hnads Where My Eyes Can See』をサンプリングしていたり、すごい一曲に仕上がっています。CLUBでも十分耐えられるトラックメイキング力をもっていることを存分に示しています。めちゃめちゃカッコいい一曲です！

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