Musiq / juslisen

(概説)

つい最近1ｓｔが出たと思っていたＭｕｓｉｑの1年半ぶりの2nd！最近の洋楽アーティストは、結構製作ペースが上がってきてますね。そんなＭｕｓｉｑですが、僕は1ｓｔは思ったほどは聞かなかった・・・なぜなら、いまいちサビとかに印象を覚える曲が少なかったことと、この人のスタンスがいまいちわからなかったからである。オーガニックソウルなのかな？とか疑問に思っていたが、妙にＦｕｎｋｙでまとまりがないアルバムという印象が残っている。でも今はJill ScottとMusiqによる一大勢力にのし上がった、フィリー(フィラデルフィアにレコーディングスタジオを持つレーベルなので、このように言われています)勢のおかげで、Musiqのスタンスもハッキリし、明確なビジョンのもと作られたのがこの作品だと感じています。
で、肝心の作品ですが、これが傑作！2002年の傑作のひとつに数え上げられそうなほどです。Musiq力つけたなーというのが印象。歌声といい、サウンドという1stの比ではありません。特にサウンド面では、今までのフィリーのFunkっぽさをより力強くしたような爽快なサウンドが飛び交います。そして、歌詞も彼らしい純情な歌詞を(一応純情な青年というのが、アメリカでのイメージらしいですよ、まあ、みるからにもっさいお兄ちゃんって感じなんですが・・・)披露していて、微妙な心の移り方とか、もう心の描写がすばらしいです。特に彼の女性を大切にした心は、男性としてちょっと見習うべき点が多いし、女性としても、見ればうれしく思うんじゃないかな。
ぜひ、国内版を買うことをお勧めしますねー。
そして、シングルカット『halfcrazy』は傑作です！これは、最初の映画音楽のフレーズを使ったのが、なんとも印象に残るのですが、このPVが傑作！そして、歌詞もすばらしい！とても、アメリカ人がつくったとは思えないほど切ない微妙な感覚を歌った歌詞といい、それをもとに作られたなんとも悲しいPV・・・もう泣けるんですよ！もう、今年のNo１PVはこれです。もう、間違いなく！この一曲がアルバムをギュッと締めてくれるんです。
今年はFunkyな楽曲がくるなと思ったけど、後でレビューするCee-LoといいこのMusiqといい、いい感じにそのFunkinessの世界を演出しています。やっり、今年のキーワードはファンクかな！FUNKなのがなぜいいかといえば、聞き飽きないからです。
そんなFunkyでいて聞き飽きず、バラードで締めるところは締める！そんな1枚をどうぞ！
絶対買いですよ！

(曲解説)

01.scratch introlude

MusiqらしいHIPHOPの要素満載なイントロ。彼特有の微妙に裏声がかったしゃべり口調が面白い。Just Listen！そうただ聴いてくれと歌うMusiqの歌を聴こうではないか！

02.newness

このアルバムは彼の恋愛感を歌ったアルバムである、その幕開けを告げる恋の始まりの歌、スローなサウンドのなか彼のマッタリとした歌が、空気を暖かく包み込んでくれます。彼独特のSOULでブルージーな雰囲気に満ち溢れた曲です。

03.coughtup featuring aaries

このアルバムではFunkyなUpperチューンが満載です。これもその一曲。しかも、この曲未成年との恋愛が出来ず、数年後にあった女性にまた恋に落ちたって言う内容〜、とてもUpperなチューンでの内容ではない気もするんだけど、Funkyに歌いこなすMusiqがめちゃめちゃかっこいいです！AARIESの歌声もビターで、灰汁が濃いので、いい感じにMusiqと混ざり合います。めっちゃFunkyでかっこいい一曲です。

04.stoplayin

こちらはJazzっぽい雰囲気もあるチューン。Musiqの歌声は独特のものがあって、その場の雰囲気をよき古きSOULな雰囲気で包み込んでしまいます。ループを多用した中毒性がある一曲。女性に振りまわされてる男を歌っていますね〜。ステキなバラードです。今作では一曲一曲に味があり、全然違う雰囲気を持ってたり、似ているけどちょっと味が違ったり、いろいろな方法で聞き手を楽しませてくれている！

05.religious

Funkで、軽快な一曲。ノリノリって感じですが、最後のほうのMusiqのバックボーカルのシャウトがいい感じに曲を盛り上げている良曲！晴れた日に聴きたくなるような爽快な一曲です。気持ちが良いぞー！一緒になって合いの手で、手をたたいて聞き入りたい、素晴らしいSOULな一曲！

06.bodygirl

FunkでSOULFULなスローバラード。このサビのフレーズの単調な繰り返しが逆にMusiqの歌いまわしのうまさを引き立てていて、聴き応えがあります。胸にグーと入り込んでくる一曲ですが、ナンパしてるそんな風景を歌った曲なんですよね〜。女性もこんな声で歌われたらクラッとくるんでしょうねー。

07.halfcrazy

最高の名曲！今年の一番のバラードでしょう〜！最初の「パリのめぐり逢い」の映画音楽を使ったイントロが最高に刹那過ぎます。もう、泣くしかない様な、そんな切なさを存分に溜め込んだMusiqの歌いっぷり、悲しさが頂点に達してしまうような、そんなステキなバラードです。特にこのPVの切なさはたまらないものがあります・・・激情！と失うことへの恐れ！を見事に表したPVでしょう。突然いなくなる女性の姿・・・それに涙した人は多いでしょう〜。このPVは、本当に久々にHIT!素晴らしい〜！そして、驚いたのが、この詩の世界。なんて、微妙な心の揺れを描くんだろうと思ってしまいます。正直US産のR&Bでこれほど詩的な世界で感動したのは初めてです。友達が彼女へと変わるときの、不安、違和感、そして友達という関係としての何かをなくした喪失感・・・彼女ができた喜びの裏にあるそんなかすかな感情を見事に表していて・・・感動しました。すごい！アメリカのアーティストが書く歌詞にこんなに深く共感できたのは、久々です。この曲は今年一番のBalladです！

08.time

地味なSlowBalladだ。地味だからこそ、この曲でMusiqの歌に色がついたのがよくわかる・・・前は色がわからない歌い手だった。今は、どこか優しく心の奥底で悲しんでいるような、そんなステキな歌声になったなと感じることができる。確実に前作よりも数段の成長を遂げて、このMusiqは帰ってきたのである。愛のこもった歌を聞かせてくれます。「And I'm so glad that I've grown to Respect you」この言葉が一番印象に残っています。「あなたをリスペクトできるだけ成長できたことをうれしく思うよ。」・・・言ってみたい一言ですね〜。

09.future

で、いきなりSLOWFUNKYチューン。「Hey ya'll Hey ya'll」という歌声が、耳に気持ちよく響いてきます。それと絡み合うScratch音が効果的に曲を引き立てています。最後の方のRapに近い歌い方がなんとも癖になります。このMusiqはHIPHOPをいい感じにSOULと絡め合わせる技はすさまじいものがありますね。相当かっこいいですよ！これも中毒性が高い素晴らしい一曲。

10.intermission:juslisen

またさらにHIP HOP寄りな感じのサウンドが、展開されます。今のアーティストとしてのMusiqの心を歌った曲ですが、彼は本当に純粋で素直なんだなーと感じます。女性のバックコーラスが効果的に入った一曲です。

11.realove

Deepなサウンドが展開するSweetyなUpperチューン。このD'angeloっぽい雰囲気は、もちろんジェームズ・ポイザー(D'Angeloのプロデューサー)その人による曲だからです。ハイハットの音が小気味良く鳴り響き、その上をなでるように入るコーラス、そして、気持ちよく歌うMusiq！もう、たまらない名曲の誕生です。いやー、どの曲も完璧な作りですよ。マジで！特にこの曲はトラックが秀逸です！

12.onenight

女性に振り回される男性の心を歌った歌、女性には一夜限りの男性なのだが、男性にとっては、かけがえのない人・・・その感情がうまくでた歌い方をしていますね。男の盛り上がる気持ちがよく表された詩の世界です。最後の語りがこの曲をグルービーに情熱的に盛り上げていきます。高い音のドラム系の音がずっとなっているのだが、これがアフリカンな雰囲気を醸し出している。面白い曲ですね。

13.previouscats

喧嘩している彼女への歌。おいおいおいっなんで俺に怒るんだよて感じが出てていい感じです。でも、アンドレアはないと思います・・・(日本語訳をかってもらえれば、わかります。)バラード尽くしなんだけど、SOULやFUNKの香りがあるので、楽曲的に飽きることがないのが、このアルバムの素晴らしいところですね。

14.solong

これも、名曲！最初のフレーズでやられてしまいます。めちゃめちゃかっこいい！SOUL！なんなんだろう、この気持ちよい古臭さというか、暖かさというか・・・この独特の雰囲気があるので、全部の曲が良く聞こえるんですよねー。聴いてみて！めちゃめちゃSOULFULでかっこいい曲だから！そして、ここでは、めちゃめちゃ誠実な男を描いてますねー。魅力的な女性に迫られても、彼女がいるからダメなんだって・・・内容、うーん、すばらしいかっこいい男だというか、うん、僕だったら〜もちろん彼女とります。はい！本当！

15.bestfriend introducing carol nddick

Carol Nddickがいい味出して歌っています。会話形式で進むおもしろい歌ですね。お互い諭すように歌うあげるのが、おもしろい一曲です。歌詞がこれもいいです。ぜひ日本版で買うことをお勧めしますねー。彼女を大事にするには、我慢も覚えなくちゃね・・・・前向きっていいことですわ。あー、今の僕には刺さるんですよーこういう内容！

16.dontchange

今までと違って、爽やかな感じの曲。SWとかをちょっと思い出してしまいますね。ストレートに曲調に、ストレートに愛を歌った歌詞もいい雰囲気です。「I swear I ain't going nowhere no.」ですって！これって言われたらうれしいよね。

17.motherfather

生きている親への感謝を述べた曲、そのコンセプトが素晴らしいじゃないですか！死んだ父や母への歌はたくさんあれど、生きてる親に対して、これほど優しく歌う人はいないんじゃないかな。SOUL臭さをうまいこと引き出していて感謝と優しさに溢れた一曲になっています。本当にSOULな一曲！

18.something

あの有名なビートルズのジェージ・ハリスンの曲のカバー＆追卓の曲。かなりいい雰囲気で歌い上げてますね。Rockだけど、SOUL臭く歌い上げるMusiqがステキです。

19.ifiwouldaknew (girlnextdoor remix)

エル・デバージの「Stay With Me」もしくは、ビギー・スモールの「One More Chance」をサンプリングした一曲だが・・・そう、AshntiもFoolishでサンプリングしていた曲なので、思いっきりかぶってます。たぶん、原曲を知らずに、2つの曲を聴いた人は困惑するにちがいありません。でも、二人の違いがうまく現れていて、比較するのはそれはそれで面白いと思います。