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Mario Winans / Hurt No More

01.Ready for Love (Interlude)
02.Never Really was
03.I Don't Wanna Know feat.ENYA and P.DIDDY
04.You Knew feat.SLIM
05.How I Made It feat.Loon
06.Already Know (Interlude)
07.3 Days Ago
08.What's Wrong With Me
09.Can't Judge Me
10.Disbelief
11.Enough (Interlude)
12.Pretty Girl Bullsh*t feat. Foxy Brown
13.This The Thanks I Get feat.Black Rob
14.I Got You Babe
15.So Fine
16.Should've Known
17.Turn Around

Mario Winans / Hurt No More

(総評)

ついにきましたー!というか信じられません!個人的にもR&Bの隠れた名盤は?と聴かれれば、まずその名前が挙げるのが、彼の1stアルバム「Story of My Heart」です。BeBe Winansの甥っ子でもあるゴスペル一家Winansファミリーの血筋を継ぐのですが、ゴスペルとはまったく違うSweetな歌声で、すばらしいメロディーセンスを持ったアーティストで、美しい楽曲の宝庫であるその1stアルバムはいまだに愛聴者がいるほどです。その後彼は1stアルバムでの素晴らしいメロディーセンスを買われ、Puff Daddy(P.Diddy)率いるBadBoyに入るのですが・・・ここから彼の運命は大きく変わり始めます。もともとプロデュース業に興味があったということもあり、どんどんとP.Diddyの元でプロデュースを重ねる中で、完全に裏方の人物に回ってしまい、もうR&Bファンは、彼のソロアルバムなんて、でないんだろうな・・・ちくしょうP.Diddyめ作品作らせやがれと思っていた人も多かったのですが(笑)。なんと1stアルバムから8年目にして2ndアルバムが出ることになりました。しかも、そのBadBoyでのProduce業を見せ付けるかのような、全曲セルフプロデュースのアルバムが。いやーたまりませんよ、またあのSweetな歌声と卓越したメロディーラインがもう一度聴けるなんて・・・
彼の歌声はSweetと言いましたが、それだけではなくどこか影のある艶がたまらなく、それを生かしきるメロディーラインを作り出すことにかけては、恐ろしいほどの才能を発揮します。一度聴いてインパクト勝負というのではなく、一度聞くとなぜかもう一度聴きたくなり、じわりじわり、じわりじわりと深みにはまって、大好きになってしまう。そんなボーカルなのです。このアルバムでもそれは発揮されていて、彼独自の力で素晴らしいメロディーラインを作り出しています。また、Debarge, Commodoresなどの曲をサンプリングなどもして、SOUL好きにも、おっと思わせる趣向が凝らされています。もちろんあのENYAの曲やMadonnaの曲をサンプリングしたりして話題になっていて、このアルバムは前作よりもより広いリスナーに聞かれるようになっているのも、彼のProducerとしての成長を感じさせます。でも、基本は前作で見せた、メロディーラインの見事さ!聞けば聞くほどはまっていきます。前作も10回ぐらい聞いたころからこの曲がいいなーと思わせるのもあったりして、今作でもそういう風な味わいのある作品に仕上がっています。ぜひぜひ今年の絶対に買っておくべき一枚です。長く愛聴できる一枚ですよ、オススメ!

オススメ:(15),(7),(17),(2),(3),(9),(8),(13),(4)

(曲解説)

01.Ready for Love (Interlude)

イントロからSweetなMario Winansの世界全開で聞かせてくれます。このイントロだけでうっとりさせられます。ちょっと切なげな歌い方が胸に染み込んできます・・・

02.Never Really Was

いやー、やばい。この厚みのあるストリングスの畳み掛けるようなバックトラックの上をMarioの美しい歌声が艶やかに歌いこなしていくスムーズな1曲!淡い感じの歌声が重なって、力強くもどこかDarkで妖艶な輝きを増していく感じがたまりません。艶があるやさしいボーカルでどんどん聴くごとに癖になっていきます。Madonnaの"Papa Don't Preach"を大胆にサンプリングした手法もさることながら、それを原曲とはまったく違う感じでもっていくこのProduce力!見事です。

03.I Don't Wanna Know feat.ENYA and P.DIDDY

なんと、あのENYAの"Story of Boadicea"をサンプリングしたどこか深遠な雰囲気をもつすばらしいバラッド!独特のケレルMusicのサウンドをうまく使いこなすMario Winans。この神聖な雰囲気とうまく彼の控えめな歌声はマッチングするんですねー。さりげないピアノの音・・・すべてが新鮮な音楽として聞こえてきます。このアルバムをより深く味わいあるものへとしてくれている一曲です。まあP.diddyのRapは相変わらずだる〜い感じですが、それが妙にマッチしてます。でもLOONとかの方がもうちょっとしまったかな?と思いますが。とにかくこのアルバムを代表する作品です!

04.You Knew feat.SLIM

やさしく語りかけるようなMario Winansの歌声のAメロから、サビへのメロディーラインへと流れいきます。このDebargeの"Love Me In A Special Way"という有名な曲をサンプリングしたメロディーラインの癖になる感じが、やっぱり、Mario Winansだ!と再確認させてくれます。彼の作るバラードは一発で聴いて覚えれてすぐ飽きちゃうような感じではなく、一度聞くと、気になりだし、聴けば聞くほど深みにはまっていくそんな良さがあるんです。この曲ではRapperのSLIMも最低限の絡み方をしており、バラードとしての色合いが濃い作品に仕上がっています。

05.How I Made It feat.Loon

前作にはなかった、UPな曲で、BadBoyを裏方から支えてきたMario Winansの実績が垣間見れる一曲です。BadBoyの看板RapperのLOONを従えて、メインボーカルとコーラスを両方歌いこなし、BadBoyとも違う独自のサウンドのアゲ目でスマートなこの曲を、自在に歌いこなしていきます。成長したなーと思える一曲。LOONもあまりガナルRapperじゃないので、いい具合に絡んでいて、気持ちよくのって聴ける一曲です!Commodoresの"Celebrate"という曲をサンプリングしています。

06.Already Know (Interlude)

ピアノがDarkにループするInterludeで、さわやかにMario Winansが淡く言葉を紡ぎだしていきます。まさに一言一言を組み立てていってる感じが、彼の歌声の艶を増していますね。

07.3 Days Ago

暖かいギターのサウンドにのって、日差しを浴びたような温かみのあるメロディーが鳴り響きます。本当に気持ちがいいですね〜。サビの流れる雲のような爽やかさと、ギターのカッティングがうまくマッチしていて、彼のProduceのすばらしさをまたしても感じさせてくれる曲です。この明るいSweetな曲で、聞けば聞くほどよくなっていくMario Winansらしい雰囲気が一気にバッと出てきた感じです。転調したところからのギターのカッティング音とメロディーの素晴らしさが融合するところがたまりません・・・名曲!

08.What's Wrong With Me

ミッドテンポな思わず体が揺れるような一曲、ちょっと哀愁を漂わせながら歌うMario Winansの歌声に耳を傾けると、HOOKのWetなメロディーラインに気持ちよく乗せられてしまいます。目立った曲っていうわけじゃ〜ないのですが、どこか聞いていてメロディーも面白くて気持ちよくなってしまう、そんな良曲です!やっぱり、彼は自分の声の特質をよくわかっていて、見事なProduceをやりますよ・・・本当に。

09.Can't Judge Me

低音のピアノの跳ねるループにのって、Mario Winansも哀愁を漂わせ歌い紡いでいきます。ピアノの音色が本当に見事で、これだけでもいい感じに仕上げていて、それをさらに自分の歌声を重ね合わせることで、どことなく影のあるバラードへと押し上げています。このピアノのループがどんどん癖になっていくんですよね〜。やばいです。

10.Disbelief

気だるい感じがなんともしっくり来る部屋で待ったり聞きたい曲です。ほんと、この人の作り出す音は見事です!気持ちがいいんですよね。そして、その音を邪魔しないボーカル!弱弱しく感じそうなのですが、どこかしっかりと狙っている感もあるし、聞けば聞くほど癖になるし、この曲も徐々に徐々に体に染み込んでいく感じがたまりませんよ!じっくり部屋で聞きたい曲です。

11.Enough (Interlude)

電話のインタールードという定番のInterludeですが、それでもセンスがあるんですよねー。途中からスピード感のあるサウンドが鳴り響き次のUPを予感させます。

12.Pretty Girl Bullsh*t feat. Foxy Brown

おっと!っていいたくなるぐらい、ここでいきなりBadBoy Soundが鳴り響きます!Mario Winansにあわせたというよりは、Foxy Brownのためのような曲になっています。でも、こういうHIPHOPサウンドの上でも、サウンドの上を滑るように歌いこなしてくMario Winans。見事です。Featuring Artistとしても一流なところを見せ付けてくれます。かなり踊れる感じのサウンドに仕上がっています!こういうUPな曲をすることで、前作からの成長をまざまざと見せ付けてくれています。

13.This The Thanks I Get feat.Black Rob

Black RobのMCから、Uh〜というMario Winansの鼻歌が面白くついつい一緒になって歌って覚えてしまいます。ゆるーいHIPHOPトラックをどっぷりR&Bの歌唱で歌いこなしていく、今風な一曲でBlack RobのRapもうまく絡み合っていい曲に仕上がっています。尺八っぽい音と鼻歌がアクセントになっていて、聞き込んでしまいます。

14.I Got You Babe

ゆる〜い感じの曲へと、徐々に流れていきます。あまりHOOKが印象的な感じではないのですが、転調をしていき、シャウトを力強くかましていくので、ついつい印象に残ってしまう曲です。この自分の声を重ねて、優しくも力強く吼えていくシャウトがいいんですよね〜。

15.So Fine

ここでもBadBoy印のドラムサウンドに乗っかって、Sweetに歌いこなしていきます。HOOKのメロディーラインがたまらないんですよね〜。サウンド的にはHIPHOPなんだけど、思いっきり歌声はR&Bって感じで、絶対に112とか好きな人は好きな歌だと思いますわ。転調して、力強く歌っていくMario Winans!うーんたまりませんよ!いい曲です!

16.Should've Known

ほんとSweetで、Slowでメローな一曲です、コーラスに熱く絡みつくMario Winans!でも、どこか爽やかで、こんなにネットリとしたサウンドなのに、すんなりと聞けちゃいます!この曲はSweetでじっくり聞けるので、きっと聞く毎に良さをましていくのでしょう。

17.Turn Around

最後はDeepな暗めなサウンドから、深遠な深い〜暗めなHOOKのメロディーラインにハッとさせられます。いやー本当にこういう切ない感じの一曲も彼はうまいんですよね〜。Slowものなら何でも歌えるアーティストなのですが、特にこういう切なくも甘めなボーカルが生かせる一曲ということで、最後にいい曲もってきたなーと思わせてくれます。転調もするのですが、この転調の時のシャウトっぷりも見事!

(Producer)

All Track Produce by Mario Winans
Sean "P.Diddy" Combs:(4)

(Musician)

(LINK)

www.mariowinans.com
www.badboyonline.com
☆☆☆☆☆☆(今年の名盤の一枚)

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