Luther Vandross / Dance With my Father

(概説)

がんばれ、Luther Vandross!ってことで、やっと集中治療室を出たそうで、ほっと一息という感じですが、この新作をリリースするという時期になって、急に倒れてしまった彼なのですが、これが最後にならないで本当によかった。まだまだがんばって欲しいものです！最近は悲しいNewsが多いですから。
そんな彼の最新作は、素晴らしいボーカルアルバムになっています。特に一曲目から迫力のある仕上がりになっています。彼独特な声質が、暖かく聞くものの回りと包み込みます。そして、彼の声というのは、深みがあると厚みがあるんですね、タダ優しい温か味があるというよりも温か味と深みの両方をもった稀有なボーカルなのです。そんな彼のボーカルを思う存分堪能できる一枚です。サウンド的にも十分に練られていて、UPでは激しく、Slow BalladはLutherの歌声をうまく活かした暖かい感じのBalladを持ってきて、たまに切ない曲で聞かせるというこれでもかっていうぐらい一枚にぎっしりとおいしさが詰まっています。
バックグラウンドボーカルでは、RLやBig Bubなども参加しています。Stevie Wonderも実は、参加していたりします。それにしても、Bill Withersの『Lovely Day』のカバーは秀逸です！ただ、切ない〜すごい切ない〜バラードがもう一つほしかったなーという感じです。全体的にはカッコよくて、バラードもホッコリできますが、もう一つ！何かあれば、名盤になっていたろうなー。十分に今年のBestには入るできです！

(曲解説)

01.If I Didn't Know Better

すごい大きな愛を歌い上げるLuther Vandrossが素晴らしい!暖かく全てを包み込むような暖かい歌声で徐々に歌い上げていきます。コーラスの女性が素晴らしくLuther Vandrossの歌声を引き立てています。徐々にシャウトを絡めながら切なげに歌い上げていく様は、素晴らしいの一言。心温まる素晴らしい一曲です！豪快なコーラスワークも聞くものの胸をギュッと締め付けます。

02.Think About You

ゆったりとスローテンポで歌う一曲。ゆったりと爽やかに進んでいきます。淡々と語るように歌っていき、ゆっくりと耳に入っていきます。中盤の伸びやかなLutherの歌い声に安心します。

03.If It Ain't One Thing feat.Foxy Brown

力強いLutherの歌い方から、ビートが跳ねるHIPHOPなトラックに少しコーラスにゴスペル調も入った素晴らしい一曲！初めからエンジン全開で盛り上がっていくコーラス！Foxy Brownもこの曲調を崩さないぐらいでのRapで、それを覆い尽くすLutherの歌いっぷりには感服です。ベテランとは思えないです。何十年も最前線でやっているということの力をまざまざと見せ付ける一曲です！最後のFoxy BrownのRapで締めます。

04.Buy Me A Rose

暖かみ溢れる心地よいバラード。ホントさりげなく入るコンガのような音がアクセントとなり、ギターが暖かくゆったりと音を作り上げ、さりげなく入る女性のボーカルが、この曲を盛り上げています。もちろんLuther Vandrossのしっとりとした歌声もこの歌にとてもあっていてしっくりと胸にしみこんできます。本当に歌声１本で勝負した！っていう一曲です！ストレートで素晴らしい！

05.The Closer I Get To You feat. Beyonce Knowles

ゆったりとしたSmoothyなイントロから始まる一曲は、Beyonceを迎え入れて、ロバータフラッグ＆ダニーハザウェイで有名なバラード！もちろん、カバー曲でも名曲を数々残しているLutherの歌いっぷりの見事さはいうまでもなく、Beyonceもいい歌いっぷりを魅せています。最後のファルセットを混ぜながらゆったりと絡み合い情を重ねあうBeyonceとLutherの歌声の応酬にはやられてしまいます。ゆったりとゆったりと声を重ねあいお互い高めあっていく・・・いやー、やっぱいい歌ですねー。ソウルバラードって素晴らしいです。最後のさりげない〜終わり方も好きです。

06.Lovely Day feat.Busta Rhymes

そう！Bill Witherのあの名曲をLutherがカバー！うれしい〜！これはBill好きなカマDとしては、至福な瞬間です。しかもかなり原曲よりもアレンジを加え、現代風の『Lovely Day』へと姿を変えています。しかも、Busta RhymesのRapがいい具合に気だるい雰囲気を醸し出しているので、ちょっと原曲との違いがハッキリしています。Luther Vandrossも、Bill Withersに負けないぐらい力強く深いボーカルを披露し、よりCoolでカッコいい一曲へと進化しています！こうやってSOULの名曲がリメイクされていくのって嬉しいですね。女性のコーラスも力強くこの歌の原曲のよさを十分に引き出しつつ、新たなステージへと連れて行っています。うーん、いいですなー。このアルバムの一番はこれでしょう。

07.Dance With My Father

アルバムタイトル曲は、亡き父のことを歌った、そのタイトルどおり温か味溢れる一曲です。このLuther Vandross独特のSmoothyでいてきちんと存在感があるボーカルが、聞くものを心地よくさせてくれます。ピアノの音が優しく響き、ドラムがゆっくりと刻みます・・・こういうスローは彼らしいですね。

08.She Saw You

ガラスの割れる音から、タイトなドラムにのってFunkyなリズムにのって、力強くドラムが鳴ります・・・力強く歌っていくLuther。Rapも入っていて、心強い一曲です。COOLでいて、サウンドが力強く引き込まれます。そのサウンドを邪魔しないでCoolに適度に歌い上げていくのは、素晴らしいです。エレクトロな香りもするサウンドがなんといってもいいですね。

09.Apoligize

切ないバラードがやっと登場です。そうLutherのバラードというと、どうしてもその声質から温か味が溢れるものが多いのです。こういうちょっと切ないサビの一曲って言うのも彼だからこその意外性があって面白いのである。まあ、バラードの定番ですが、この曲は一番好きです。じっくりじっくりと聞きたい一曲です。

10.Hit It Again feat.Queen Latifah

かなりHIPHOPなイントロから、Queen Latifahを招いたUPが始まる。ギターをつまはじく音がいい感じにアクセントを与え、盛り上がるこの曲を支えている。そして、ここでも力強いLutherの歌声は健在で、こちらも大御所であるQueen Latifahも激しく絡んでいきます。激しい曲を難なく歌い上げるLutherの力量には感服です。ぜんぜん大御所らしくない、最先端な感じがすごいです。

11.Right In The Middle

押さえ気味な中にFunkyさが滲み出ているこの曲。名前の通りミドルテンポに曲は進んでいきます！ここでの女性コーラスが力強くそれに対するLutherも、ガンガン歌い上げていき、声の応酬が凄まじいです。ライブで見てみたいなっておもう一曲です。

12.Once Were Lovers

メロディーラインが面白くて引き込まれます。うん、さりげない前半のメロディーがいいんですよね。サビでのメロディーも心地よく、ゆったりとした気分で聞ける一曲です。ハーモニカの音が、向こうのR&Bとしては珍しいかなと思いますが、爽やかさを増していて、このふんわりした肌触りの一曲にはあっています。

13.Lovely Day Part II feat.Busta Rhymes

6曲目のリメイクですが、あまり〜かわらないようにおもうのですが・・・Busta Rhymesの出番がかなり増えています！HIPHOP色を少し強くした感じです！コーラスのLovely Dayってのが、懐かしくて、ついついうっとり聞いてしまいます。

14.They Said You Needed Me

ピアノや、トライアングルが爽やかに鳴り響く、最後らしい一曲。そんなに肩の力も入っていないいい感じにLutherも歌っていて、そんなにいい歌ってわけじゃないけど、さりげなく聴ける曲です。

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