Jesse Powell / Jesse

(総評)

高音が美しいJesse Powellの２年ぶり４枚目となるアルバム「Jesse」！４枚目というと既に中堅レベルですが、しっかり現行R&Bシーンにもアピールする曲もあるし、おやじSOULファンにもアピールできる素晴らしい自分の声の特性を活かしたカバーもある力作！もちろん彼の特徴である高音を生かしたバラードが目白押し！なので、間違いない出来です。オススメですよ！
何といっても素晴らしいのが、7曲目のデバージの『I Like It』のカバー！もう原曲そのまま？っていうぐらい素晴らしく美しい高音ファルセットが・・・もういいですわ〜。あまりの素晴らしさに泣けます。それに、マイケルジャクソンのカバー12曲目「I Can Help It」も清々しい感じが、なんとも雰囲気が出ていていいですねー。そして、「Come Back Home」「By The Way」で魅せる美しいバラード攻勢！もう、ゆったり聞きたい気分にさせられますよ。最近のR&Bはギターをうまく使った曲が多いのですが、(これもR.KELLYの影響かな？とは思いますが）このアルバムではピアノの美しいメロディーがたくさん入っていて、やっぱR&Bにはピアノのメロディーが合うよなーと思わせてくれます。彼独特なシリアスな曲調も11曲目であったりして、独自性も十分に出せた力作です！
こういう特色があるアーティストがいい作品を残せていくのは、嬉しい限りです。中堅アーティストは、ファンの新規開拓とSOULファンを好きなファンへのアピールが重要ですが、「I Like It」「I Can't Help It」の名カバーで、SOULファンの心を掴み、UPで現行シーンを意識しつつも、彼の高音をうまく使った素晴らしいバラードをかませて、いいアルバムに仕上げていると思います。いつまでも歌っていて欲しいアーティストの一人です。

(曲解説)

01.Thouching It Tonight

いやー、若いなーと思わせる作りのUPです！シーンに媚びることなく独自のR&Bを追求していってるのが、よくわかりますね。確かにしたのマーキスとかと比べると、ちょっとUPとしての質は落ちますが、これはこれで聞けますね！タラララ〜っていうフレーズがちょっと癖になります。

02.Taking In Your Sleep

ここで、Timbaland?って感じのちょっと古目かもっていう変則UPが来ます。なかなかがんばった作りでサウンドが面白い！結構乗れるつくりになっています。でも、ちょっと〜この最初の二曲は、シーン意識しすぎかなと思いますが。もう彼は中堅ですから自分は自分で作ってもよかったかも。

03.Keep On Loving

ここからやっとバラードでマッタリと聞かせてくれます。うーん、やっぱ彼はバラードですねー。でも、ちょっとこれは、ゆったりって感じで、高音の綺麗な声を中心に聞かせてくれて、シャウトはまだですが・・・でも、ファルセットも出てきて、声の美しさを存分に感じさせてくれます。

04.Lady

最初は、ゆったりと、そして徐々にシャウトをかまして切なさを増していく・・・いい曲です！ゆったりと音を確かめるように一音一音きちんと歌っていくJesseの高音はたまりません。派手さはないが、とても、彼の高音の響きの気持ちよさを出しつくしている完成度の高い曲です。徐々に熱を帯びて行くシャウトが搾り出すような感情を出していていいですねー。

05.By The Way

インパクトがある美しいメロディーラインが素晴らしい一曲！オススメです！ホント音やサウンド的にはスマートで無駄がなく、それでいてメロディーもしっかりインパクトがあり、聞かせてくれます！Jesse Powellの前作でみせた、「It'll take the world」のような、正統派バラード！うん、ファルセットシャウトもたくさんしていて、たまらんです！

06.Did You Cry

ストリングスと、ピアノの重たい〜音が空気を引き締め、重たい雰囲気の中、じっくりと歌っていきます。切なげというよりも、心を苦しくさせるような一曲ですね。

07.I Like It

いやーやってくれます！Jesse Powell！もうこのアルバム最強の一曲は、あのソウルの有名どころデバージの名曲「I Like It」を忠実にカバー！しかも、やってくれるのが、Jesse Powellですから、El Debarge並みの、素晴らしい高音で披露してくれるんですよー！もうたまりません！いやー、これは、２００３年の名カバーでしょう！たまらんわ〜。もう、説明不要！絶対聞け！っていう感じの一曲ですよ！これほどまでに原作に忠実でしかも、原作のいい味出せてるカバーは聞いたことないわ〜。最後のファルセットは、驚愕です・・・

08.Come Back Home

最初のピアノの美しいイントロがステキすぎ〜！いやー華麗だ！このピアノのメロディーだけで、もうひきつけられますが、サビでコーラスが優しく音を重ねていき、優雅な雰囲気を出し、それにJesse Powellが高音でアクセントをつけていく。もう、これはホントステキな歌ですよー。一度曲がSTOPして、また始まり・・・ってところもなかなか面白い作りになっています。でも、一度ストップはなくてもいいかも（笑）

09.Ebony

またまた美しいピアノと哀愁あるギターのイントロから、柔らかく優しく歌っていきます。待ったりしたあまり特色がない歌ですが、その分、純粋にJesse Powellの独特の高音をゆっくり楽しむことができる良曲です！

10.I Will

独特なもったりとした音の楽器の音がインパクトがあるのですが、そこからちょっとノリが良く歌っていきます。ちょうどバラード漬けだったのでいい感じにミドルテンポな歌が入ってきます。Jesse Powellは、声を重ねるコーラス作るのが、本当にうまいよなー。

11.I Want You

珍しいボトムを聞かせたサウンドで、シリアスにUPPERな曲を歌い上げていきます。サビの、独特なフレーズがなんとも耳に残ります。この暗い雰囲気の中で、高音で歌い上げていく、この不思議な雰囲気も彼ならでは！な気がします。実はこういう曲が多いんですよねー。もっと、正統派なバラードが似合うと思うんですが・・・

12.I Can't Help It

最後は、あのマイケルジャクソンのカバーを披露！ホント今作はカバーが秀逸！すばらしい！彼らしさと、原曲のすばらしさを両方出しているいい曲です。ホント高音が美しいなーと実感させてくれますよ。いい曲だなーと再認識させられます。

(LINK)