HI-D / GREAT SECOND

(総評)

HI-Dの待望の2ndアルバムは、前作とはまた違うアプローチからのまさに現場発信の素晴らしいサウンドがガッチリと詰まった一枚！シーンで、様々なアーティスト、DJなどとコラボレートを繰り返してきた、HI-Dだけにしかできない、今の旬な音を使った日本の現場発信のサウンドが多く、さらに彼SEXYさを出したような楽曲まで様々な曲が詰まった極力な一枚！かなりフロアでのライブを意識した作りのアルバムになっており、その力強い歌声に思わず歓声を上げたくなります。これほどまでに、最新のサウンドを取り入れたR&B Musicって今の日本にはないですね！R&Bというとバラードというイメージも強いのですが、R&BとHIPHOPは、同じ現場では切り離せないものがあります。それを見事CD上で表現できているなんて・・・凄すぎます。R&Bって何かわかってない人が多い中、これは衝撃的な一枚になるでしょう。バラード好きも、HIPHOPリスナーも、ストリートも全ての人々を連れて行くHI-Dの歌に全てを任せてしまいましょう！ 　このアルバムは、2ndアルバムということもあり、かなり練られていて、まずそれを感じるのは2曲目「Guess who's back」！これで聞き手は軽く度肝を抜かれてしまいます。この曲はすさまじくサウンドに分厚さと奇抜さがあって、アルバムの最初のキーであり、アルバム全体を代表するUPサウンドになっています。そして、そのままの勢いを保ちながらさまざまなプロデューサーたちとの絡みを見せ、かっこいいながら、きちんとR&Bらしい艶のある歌声を聞かせてくれます。そのままSEXYでエロスたっぷりな「DEEPER」へと入っていきます。その後、ライブでガンガン盛り上がりそうな曲たちのオンパレード！これは、ジェットコースターのように上がったり下がったりする聞き手のテンション。これは、猛烈な勢いです。もちろんシングル「Get Back In Love」と「夢のキオク」も入っています！そして、インディーズ時代の名曲「What kinda man would I be」がなんと収録されているのです！これが本当に胸を熱くさせる素晴らしいバラードです！ この辺の最後や「Without You」や「Deeper」などのバラードもしっかりと一言一言聞き手にうったえかけるように聞かせてくれて、うっとりさせてくれる雰囲気や泣けるなーと思わせる雰囲気があって、UPな曲の合間に入っていたりしながらも、しっかりとその曲に集中して聞かせてくれます。
　この一枚は全体を通して、バラードとUPの曲のバランスは半々ぐらいの筈なのですが、HI-Dのライブを見ているような昂揚感を味わえるようなUPが中心となりバラードで要所要所を聞かせてくれるというようなバランスになっていて、あっという間にHI-Dのステージが流れていくような気持ちにさせてくれます。これは濃密なステージがLIVEでは期待できること間違いなし！まさにフロアでのライブを意思したつくりになっていて、みんなの気持ちも高ぶらせてくれることでしょう。 ぜひぜひ、みなさんもこのHI-Dのすばらしい一枚を聞いてください！

オススメ:(2),(3),(4),(5),(9),(10),(11),(13),(14)

(曲解説)

01.INTRO - rain drop -

まさに、「GREAT SECOND」というアルバムタイトルにふさわしい荘厳で重厚な雰囲気のIntroから、幕を開けます！

02.Guess who's back

衝撃的！その言葉がこれほど当てはまる一曲もないでしょう！この激しい最新鋭サウンドを聞いた瞬間、今までの既成概念ぶっ飛ばされました。今まで、日本のR&BのUPPERな曲で、USの最新サウンドをサウンド面で追い越すような作品はでないのかなーと思っていたのですが（バラードとかはたまにいいものがあるのですが・・・）、まさにこれがそれ！DJ YAKKOが繰り出す圧倒的な迫力の音の応酬と、そのサウンドを見事に乗りこなすHI-Dのノリの良さと熱い情熱のこもった歌声！Guess Who's BackなんてタイトルいわれたらまさにHI-Dでしょ！と答えたくなってしまうほどの勢いをもったHI-Dのシーンへの宣言的な一曲です。HI-Dが帰ってきた、彼についていけば間違いない！それを証明する素晴らしい一曲です。アルバムを待ち望んだ人たちにこの一曲でしっかりと答えてくれています。

03.夢のキオク

シングルのカップリングでありながら、強烈な存在感を放っていたこの曲を3曲目に持ってきて、2曲目で上がりに上がった体温を少し下げて、スムーズに音に乗せてくれます。やっぱり聞けば聞くほどに純粋に勇気をもらえる曲だなと思えます。明日に向かって歩みを踏み出せるそんな気持ちにさせてくれます。いきなりこの最初の2曲で気持ちよく体を躍らせてしまうことでしょう。

04.Give me some more

今井了介ことTiny Productionによるギターサウンドに乗っかったダンサブルな一曲！この前半3曲はやばいですねー。ぜひクラブで踊り、手を上げながら聞きたいそんな曲たちが怒涛のように耳に押し寄せてきます。MIHO BROWNが悩ましげな絡みを見せながら、かなり早口に切れよく歌い走るHI-DのSEXYなリリックがなんともたまりません。ほんとリアルなクラブでの情景が浮かんでくるのも、Realなリリックを書くHI-Dらしい！まあ妙にリアルでエロですが（笑）最後の終わり方も徐々にMIHO BROWNの声だけになって後に余韻を残す感じがたまらない、SEXYな曲です！

05.Without you

ここで、哀愁漂うBalladを、813ことDJ YUTAKAの作り出すギターとピアノのサウンドにのせて歌い上げます。艶っぽく歌いつつも、それに混ぜ合わせるフェイク全てが力強くも哀愁が漂っていて、心を掴んで離しません。HOOKでも、ただキレイに歌うのではなく、拳を握り締め、力み気味に歌うHI-Dの歌声の本当に辛そうな雰囲気がリリックと相まって曲の雰囲気をさらに哀愁漂うものへと変化させていきます。キレイに歌いすぎると、この別れの寂しさは過去のモノになってしまうところを、あえて激情を込めSOULFULに歌いこむことで、未だに引きずる痛みへとして聞き手の胸をえぐっていきます。この辺の歌への気持ちの込め方はHI-Dのうまさだなと改めて感じさせてくれました。歌詞では、"カップスプーン"というHOOKのところなんか、よく洋楽ではある歌詞だったりするのですが、なんか日本語の中でこれだけスムーズに出てくると面白いなーと思います。

06.Floor Banger feat.Q

インディーズ時代からの友人Qとの一曲！お、バラードでしっとりとさせたらガッツリ上げるのが、このアルバム！この感じ疾走感があっていいんですよ！かなりこのアルバム自体フロアを意識したつくりなので、すぐにあがれます！まさにクラブの客席とのコール＆レスポンスに使うんだろうなーっていうHOOKがとても気持ちがいい！まさに、フロアをこの二人の流儀で料理したような一曲です。絶対アルバムで煽り捲くって会場を最頂点に持っていける曲ですね！個人的には、Qがホームランっていったあとに、カキーンっていってるのが、遊び心があって好きです。Qの面白さと、HI-Dの力強さが上手い具合に絡み合って、のっちゃうこと間違い無しです。この「どんなきもちだって見捨てない」っていうリリックがこのアルバムを象徴してる気がします。

07.Losing myself

DJ HAZIMEの特徴的な重低音サウンドにあわせて、徐々にHI-Dもじっくりと上げていきます！徐々に熱が入っていくHI-Dの歌声とサウンドがマッチングしていき、かなり最後にはアゲアゲな雰囲気になって、最後はDJ HAZIMEのガナリ声で締める圧倒的な迫力をもった曲です！この曲もすごいリリックが面白い！好みの女性を見つけたときの、妄想を歌っているのですが、あーわかる〜と思いつつも、こんなこと思う男のちょっと浅はかさ的なのが表現されてて、面白いです。

08.so deep(interlude)

前の曲の激しさを一気にしっとりとした雰囲気に引き込むシンプルなInterludeです。HI-Dの艶のある歌声が次の曲への期待を膨らませます。

09.Deeper

このアルバムの中でも一番のSweetなBallad！まさに、R&BそのものであるMake Loveをこれほど赤裸々に歌った曲もなかなかないんじゃないかなー。このSEXYかつエロさとHI-Dの女性に対する気持ちに、女性は落ちちゃうよね〜、女性とのMAKE LOVEの情景が目の前に浮かぶようです。HOOKの最初フェイクの歌い方が、それぞれのフレーズの度に違うのが、この曲の面白いところで、HI-Dのフェイクのセンスが思いっきり出てて、微妙なためなどが面白いんです。そして、ProducerでもあるREOの奏でるボコーダーがこの雰囲気をさらに盛り上げ、ちょっとBlackstreetとかその雰囲気も見せたりして、カッコいいんですよ！さらにHI-Dのサウンドへのノリ方の素晴らしさを実感させられた一曲です！

10.SNAKE EYE feat.DELI

そして、しっとりした雰囲気のままにはさせないのがこのアルバム！そうこのメンツが登場です！DELIと、DJ YASと、HI-Dの組み合わせといえば、「Angler Fish」！このメンツ集まったらまたちょっとダークな雰囲気なのかなーと思えば、今回はDELIがHOOKを歌う上げ目な一曲！DJ YASのサウンドも重圧で、DELIの強烈なRapと相性がよく、その中をHI-Dもしっかりその存在感を締める力強い歌声を聞かせます！これは、CLUBで聞いたら、DELIの迫力にやられること間違いなし！CLUBで一緒にサビ歌ったら、DELIを歌うのかな〜？HI-Dのところ歌うのかな〜？とちょっと悩むのですが（笑）個人的に、”いただきます”って歌詞は好きなのでそこは歌いたいかな！

11.Tight Rope feat.CRYSTAL MOVEMENT

Butcherも所属しレーベルメイトCrystal Movementをfeatした、彼らの前向きな姿勢をもろに出した聞けば元気がでること間違いない一曲！CRYSTAL MOVEMENTの勢いにHI-Dも乗って、すごい芯の強い曲に仕上がっています！一瞬のチャンスを逃さずに動きつづける彼らのREALな気持ちを、ガツンと歌い上げた曲になっています。CRYSTAL MOVEMENTとHI-Dのせめぎあいのような重量感があります。

12.I like dat girl feat.KENTA5RAS from 妄走族

前の曲から立て続けに、KENTA5RASの独特のフローにのったRapから、ナンパソングが展開します。HI-Dじゃなかったら、絶対臭い感じになっちゃんだろうなーと思うんですが、HI-Dが歌うと、すごいREALでカッコいいんですねー。まさにR&Bのシンガーにしかできない曲ですね。それにこの曲HOOKのRapperとSingerの割合とか掛け合いとかが非常に面白くて、新鮮です。なかなかこういう風にRapと歌を分割したHOOKの作り方って今まで見たことなくて新鮮でした。

13.GET BACK IN LOVE

シングル曲の山下達郎のカバーをここで入れてきます。すごいこのタイミングで入ってくると、強烈なUPなものが続いたので、よりBalladのシットリ感が心地よくて、さらによく聞こえます。シットリと胸に入り込んでくる詞の世界が、何故かほっとさせてくれます。改めて山下達郎の詞の世界のよさも感じることができます。

14.What kinda man would I be

最後はHI-Dがメジャーデビュー前から大事にしつづけてきて、"君がいるから"と迷ったどちらをシングル切るかを迷ったという名バラード。恋愛の時のどうしようもない不安感を、相手が魅力的であればあるほど拭えない不安感を見事に描ききったその歌詞に胸を焦がされることでしょう。恋愛にのめりこんでいるときに聞けば共感できること間違いないですね。さりげないギターとキーボードのバックサウンドが、優しく歌うHI-Dの歌声を包んでいきます。HOOKでの歌と歌声の広がり方にグッときてしまうんですね。最後のシャウトを絡めながら盛り上がり、上り詰めていくHI-Dの歌声には、思わず涙を誘われます。この哀愁溢れる一曲で美しくアルバムが終わっていきます。

(Producer)

ICEDOWN for 確変プロダクション:(1),(12)
YAKKO for AQUARIUS:(2)
Masaya Wada:(3),(14)14はアレンジ
RYOUSUKE IMAI for Tiny Voice, Production:(4)
813(DJ YUTAKA/ Shingo.S):(5)
BEATS-REX a.k.a Q:(6)
DJ HAZIME:(7)
REO:(8),(9)
DJ YAS for KEMURI PRODUCTIONS:(10)
HASSY THE WANTED for BLACK TALON RECORDINGS:(11)
ARRANGED by TAISHI FUKUYAMA:(13)

(Musician)

MUSIC,LYRICSはHI-Dとプロデューサーによるもの。
MIHO BROWN:(4)でのvocal
REO:(9)でのTALKBOX

(LINK)

http://biz.lablog.net/hi-d/
http://www.hi-d.jp/