G-WILL / A Blessing On The Shelf

(総評)

Gregory WillisことベテランシンガーのG-WILLのソロアルバムがリリース！そのソウルフルな歌声と、ピアノや打ち込みを主体としたサウンドが心地よく響き渡る傑作インディーソウルアルバム！アルバム全体を通して、さまざまな楽曲があり、要所要所に素敵なバラードやかっこいい曲があって、アルバム全体としての完成度はすこぶる高いです！
特筆すべきははやり、そのソウルフルな歌声、一曲目のはじめから一気にもってかれてしまいます。これほど気持ちよく伸びやかに歌われたら、もう耳を傾けるしかできません！その中でも彼の歌のよさがでているのが、１、２曲目の美しいバラードと５曲目のパワフルでキャッチーな一曲と、６曲目のようなギターを使ったフェイクが見事な曲！などなど、つぶよりな曲がごろごろとでてきて、この人の歌だけでない、作曲能力やメロディーメイカーとしてのすごさも感じることができます！一度聞いたら忘れないフレーズをサビで繰り返すことで盛り上がりを見せる曲が多く、キャッチーでいてソウルフルで、聞きやすいんだけど、深いよさがある曲へと仕上がっています！
実は、88年のRay，Goodman&Brownの「Mood For Lovin」というアルバムで参加していたシンガーらしいのですが、そんな予備知識がなくともこのシンガーがすごいことは聞けば一目瞭然ですね。CD BABYやUNIONでしか入手は難しいですが、ぜひ手にしてみてください！今年はずせないシンガーの一人ですよ！

(曲解説)

01. Leave Right Now

PHONEコールから、しっとりとした歌声でパワフルに盛り上がりを見せる素敵な一曲が展開していきます。ミッドテンポなサウンドにのって、心地よいメロディーを余裕たっぷりに穏やかに気持ちよくうたっていく姿が、想像できます。サビでの声の重ね合わせ方も見事ですね。複数の声が折り重なり美しいハーモニーを奏で、SOULFULなフェイクが響きます。最後のシャウトの悶えっぷりは見事ですね。聞き手に響いてきます。

02. Feelin' You

最初から、このFeelin' Youというフレーズがループして心地よく耳に入ってきます。バックのコーラスがサビを歌い、その上をG-WILLが自由にフェイクし、メロディーを崩しながらも、ソウルフルにまとめるその歌唱力の高さに驚かされます。スローなテンポで、聞き手をうっとりとさせてくれるような名曲です。ピアノのバックサウンドが美しくて最高ですよ！思わず体を揺らしながら聞き入ってしまいます

03. Freaky Side

最初から完成度が高すぎる曲が、ごろごろと・・・。ちょっと打ち込みっぽいリズムが今までのスローなサウンドから、ミッドテンポで踊れる素敵なMoodyな音楽を作り出しています。この人本当にキーになるサビのフレーズを繰り返すループの作り方が上手なのです。その強固なフレーズがあるからこそ、フェイクがいきていくのです。途中に見せるファルセット交じりのシャウトからの盛り上がり方にはグッときますよ。

04. See You Happy

ギターの音色が入り、ちょっと楽曲の雰囲気が変わってきます。そして、ここではなんと、Rapperが参加！これはちょっとびっくりでしたが。UPな感じにサウンドがなってきたので、違和感なくすんなりと曲になじんでいます。あまり特徴はありませんが、じっくり聞ける佳作曲ですね。

05. Big Daddy

イントロの淡い感じから、R&Bらしいフレーズにのって、軽快な歌が展開していきます。これかっこいいですよー！思わず、一緒にBig Daddyと歌いたくなります。G-WILLのパワフルな歌いっぷりが一番生きている、躍動感があってパワフルな一曲です。途中での転調でのメロディーも面白いアクセントになっているし、一曲がコンパクトにでも面白くまとまっています。

06. Rub You Up

鳴り響くギターにあわせて、G-WILLも豪快にフェイクしていき、このアルバム一番のパワフルな一曲が展開していきます。思わず一緒に歌ってしまうようなサビのフレーズと、バックでかき鳴らすエレキギターの音色が、これでもかと盛り上げてくれます！そして、伸びやかにほえあげるG-WILLの歌声！最後にかけてのフェイクの応酬なんてたまりません！ここまで芯の通った力強い曲はたまりませんね！

07. Should I Go

イントロのシンセのうねる音から、リズム中心に刻むように歌いこんでいくG-WILL。メロディーとかはあまりないのですが、その分、彼の歌声の素の部分が見えてきます。

08. Tomorrow

？これは・・・三浦大知くんのイントロにそっくりなんですが・・・歌はちがいますが、これほどにるとはびっくりです。この高音シンセ音色とあまり関係ないメロディー展開をするのですが、サビでは、このシンセ音がいい感じに響いてきます。最後の雷で終わるのが、R&Bのもろ定番でいいですな。

09. Sippin' On a Forty

力強い歌声から、じっくりとしたスロービートにのって、軽やかで伸びやかなかっこいいサビのフレーズが展開します！そして、曲が進むごとに濃さが増していくG-WILLの歌声。そして、さらにギターが突然入ってきて、盛り上げていきます。曲としてとても面白くそれにあわせて、さまざまなフェイクを見せ熱いボーカルを見せていくG-WILL！もうこれでもかというほどに盛り上がりを見せてくれます！ひさびさにこれだけ歌えるアーティストが出てきましたね！

10. I Received Him

オルガンベースのサウンドでアカペラっぽくシンプルに歌い上げていきます。G-WILLの歌声のよさがよくでている一曲ですね。これほどシンプルなトラックでこれほど分厚く歌いこめるシンガーもそうそういないですよね。

11. Open Your Heart

ここから、いきなり雰囲気がガラっと変わって、ハウス調なビート音にのって、歌っていきます。これにはちょっと意外性を感じつつも、ビートはちょっとハウスっぽいなとは思うのですが、歌はしっかりとR&Bしていて、彼の歌声のセンスも感じることができます！途中で音が一度切れちゃうところがあるのが、なぞ・・・

12. When Was the Last Time

古いソウルマンらしい雰囲気の落ち着いたサウンドの中にもセクシーさを見せてくれる一曲です。バックサウンドは最低限で、SOULFULに歌い上げています。

13. Yo Mom

ギターの撥ねた音から、Rapperのイントロにのって、軽快でノリがいい歌を披露！しかも、これがかっこいい！ちょっとFUNKYなAメロと、サビでのファルセットとRapperとの掛け合いがCOOL！これは踊れますよー！これはね〜完全にこのRapperの勝利です。彼のおかげで相当かっこよくなっています！

14. Don't Hold Back

語りのイントロから、ここでも最初の方で見せて印象的なフレーズを繰り返す、美しいループの使い方にはまり込んでしまいます。サビに向けて力んで歌い上げていくところなんか、たまりませんね！こういう最後の方の曲まで水準が高いっていうのは、やっぱり名盤の証拠でしょう！まったりとした歌い方ですが、内に秘めた情熱が伝わるようです。もう最後のほうにこういうトロトロなバラードをもっていくところが、よくわかったアーティストです！素敵！

15. Come On Now Baby

最後はちょっとDarkな雰囲気をもった曲で浮遊感のあるトラックがうまくマッチしています。悲しさをそっと伝えてくれるようです。でも、１４曲目で終わりのほうが正直よかったな〜！

(Producer)

(LINK)