Frankie J / The One

(総評)

前作で、チカーノR&Bの水準の高さを世界中に認知させたFrankie Jの待望の2ndアルバム！彼の地位を不動のものとする底力を見せつける一枚で、彼の歌の艶をこれでもかと堪能できます。まず目につくのが、前作での成功を得ての、Producer陣の豪華さ！BRYAN-MICHAEL COXを代表として、Mario Winans, SOULSHOCK and KARLIN, STEVE RUSSELLそして、なんとあのNight & Day（最近仕事増えてるし、もうそろそろ復活しないかなー）がProduceを手がけています。そして、そのProducerの素晴らしい仕事にも増して素晴らしいのが、彼の歌声です！伸びやかで艶がある歌声でいて、そして､抜群の表現力！切ない歌はとことん切なく歌い上げるのです。線が細くありながらも、聞かせてくれます。その普遍的ともいえる歌声で、どんなプロデューサーの曲もFrankie J色に染め上げていってくれます。さらに、メロディーセンスも抜群で、ほとんどの曲のWrightingをこなしていて、彼の作り出すメロディーは本当に心に残ります。この作品でも、4曲目「Without You」のような本当に心に残る優しい気持ちにさせてくれる一曲を作り出しています。このメロディーセンスの良さが、アルバム全体を通してFrankie Jだな〜と思わせてくれるのでしょう。UPサウンドでもSlowでも、彼はしっかりとその曲調にあったメロディーを作り出せるのです。かみ締めるほどに味がでる彼の歌声にはもう完敗です。
今回は盟友Baby Bash以外に、3LWという女性との爽やかな絡みを見せてくれて新たな彼の魅力も発見できます。さらには、Paul Wallなど個性的なゲストもいたりして、前作よりも幅があるつくりになっています。前作がDon't Wanna Tryのみが売れたというイメージが強かったのか、もう一度Don't Wanna Tryを収録するとは思いませんでした。自他共に認める代表曲ということになったのですが、正直お得感はあるけど、アルバムの斬新さという意味ではマイナスだったかなと思います。そうして、レゲトンミックスなんて、流行を取り入れているのも、チカーノ周辺らしいですね。
とにかくこれを聞いて癒されてください。夏にはさわやかな気持ちになるし、秋にはやさしくも切なく。冬には暖かい気持ちに、春には心地よさに心躍りますよ。年中通して聞けるような心地よい一枚です。良質なR&B作品ですよ！

オススメ:(1),(2),(4),(5),(8),(9),(11)

(曲解説)

01.Obsession (No Es Amor) feat.Baby Bash

Frankie J独特の爽やかな雰囲気が良く出た作品！美しい爽やかなバックトラックの上で、伸びやかにその歌声を披露していくFrankie Jにうっとりさせられます。Baby Bashも歌の雰囲気を壊すことなく、絶妙なRapを見せていて、長く聞ける夏の前の爽やかさを感じさせるような仕上がりです！

02.One feat.3LW

3LWを招いた男女の爽やかな絡みが見れる一曲です。どちらかといえば、美しいけど線が細いFrankie Jの声質にあった、人選で、彼女達のかわいらしい歌声も逆に引き立っています！サウンド的にもリズムトラック重視で､心地よくそのリズムにのって聞き入ることが出来ます。

03.How to Deal

ギターが切なく響き、その中で美しい歌声で歌い上げるFranki J！こういうアコースティックで切ない感じの曲にも、彼のSweetで爽やかな歌声はビッタリと合いますね！ゆったりと気持ちよい気分で聞き流せるような一曲です。

04.Without You

早回しの高音の歌声が、なんともかわいらしくも気持ちよく響く一曲！その中で美しくメロディーを響かせて、Frankie Jの真骨頂とも言える、メロディーで美しさで、聞くものを包み込んでいきます・・・ホント優しい気持ちになれるような・・・そんな一曲です。サウンドも美しくSOULSHOCK and KARLINがいい仕事してくれてますよ！そして、線が細くも声がどんどんと重なっていき複雑さを増していき、その中で透き通るような素晴らしいフェイクを見せて、どんどん切なさを増していきます。そうして、なんといってもこの曲は絶妙の間合いで行われる「ため」！サウンドもループをうまく使って、Frankie Jのためのある歌い方をより絶妙に盛り上げ、切なさを倍増させてくれるのです。前作の「Don't Wanna Try」を髣髴とさせる名曲の登場です！こういうメロディーが素晴らしい曲を作らせたら今この人にかなう人は何人いるんでしょうか・・・？それほどにメロディーメイカーとしての才能に溢れた逸材です。

05.On the Floor feat.Paul Wall

前曲の優しくも切ない雰囲気を吹き飛ばすようにUPテンポに盛り上がりを見せる一曲！思わず最初に踊りたくなってしまいます。そうして、ビルボードを制したPaul Wallの癖になるようなリズミカルで存在感のあるRapで一気に曲を盛り上げてくれます！踊れる一曲ですよ！Slowだけじゃなくて、こういう曲もできるのも、彼の強みですね。

06.Story of My Life

アコースティックギターが心地よく鳴り静かにゆったりと歌い上げていく！その伸びやかで美しい歌声を存分に響かせてくれます・・・ステキですねー。R&Bっぽい打ち込みの曲でも、こういうアコースティックでも彼の歌声は存在感がありますね。

07.#1 Fan

そして、Night & Dayプロデュースの明るく心地よい一曲！ミッドテンポなリズムにのって心地よく歌を聞かせていってくれますよ！爽やかさを見せ付けてくれますね！よくFrankie Jの魅力を出す術を心得ています。こいつらのプロデュースに間違いはありませんね。

08.Just Can't Say It's Love

ギターの心地よいイントロと淡い雰囲気で歌い上げるメロディーの良さで、キターという気分にさせてくれます！痛々しいぐらいに敏感な感情を見せてくれる歌声に、心揺さぶられます。そして、その切なさと絶妙なノリのメロディーの混ざり具合がたまらないのです。さすがMario Winansプロデュースという感じで、そのサウンドのよさも存分に感じさせてくれますよ！

09.In the Moment

HOOKに向けて徐々に声が重なっていく感じと独特なメロディーラインが、たまらない！ホント彼はメロディーの作り方が絶妙ですよね。プロデューサーのBrian Micheal Coxも、このアルバムではUPやスローや様々な曲調でFrankie Jの魅力を引き出すいい仕事をしています。そうして、Frankie Jも、UP DOWNが激しい感じのメロディーで軽快に歌い上げて聞かせてくれます！

10.Gone

アルバムの最後を飾るのは、やはり彼の美しくも切ない歌声をいかしてくれる哀愁漂う楽曲でした。どんどんと静かでありながらも、激しさを増していくボーカルが放つフェイクが相当やばいですね〜！STEVE RUSSELLひさびさにいい仕事してますね〜。ゆったりとした空気が流れていきます・・・

11.Don't Wanna Try

前作のアルバムから名曲中の名曲！「Don't Wanna Try」をボーナストラックとして収録！もう説明不要でしょう。この美しさと切なさを兼ね備えた素晴らしい一曲には・・・ただただ涙するだけです。

12.Suga Suga feat.Baby Bash

Baby Bashのアルバムに収められている一曲をここに収録。本当にこのアルバムはBest盤的な色合いも強いですねー。いい歌ですね。やっぱり！今聞くと、ゆったりとした空気感が心を落ち着かせてくれますね。

13.Obsession (No Es Amor) Spanish Version

少しだけ雰囲気を変えて、彼のもともとのスタイルであるSpanish Versionを聞かせてくれます。こちらの方が滑らかだし、Engilishじゃなくてもここまでできるのを見せて付けてくれますねー！やっぱり、チカーノ熱いわ。

14.Obsession (No Es Amor) [Reggaeton Mix]

はやりのレゲトンです、この辺の流行に敏感なのも彼らしいですね、いい感じにUPテンポな曲へと返信を遂げています！

(Producer)

Happy Perez:(1),(6),(12),(13)
Malcom Flythe(2)
INC & IRV GOTTI:(2)
BRYAN-MICHAEL COX:(3),(5),(9)
SOULSHOCK and KARLIN:(4)
NIGHT & DAY:(7)
MARIO WINANS:(8)
STEVE RUSSELL:(10)
Frankie J:(11)

(LINK)

http://www.frankiejonline.com/
http://columbiarecords.com/