F.O.H / PROJECT VIKING

(概説)

F.O.H待望の３ｒｄアルバム！これぞJapanese R&B！といえる素晴らしい作品に仕上がっています。洋楽のR&Bをここまで昇華できているアルバムもそうなかなかないと思います。彼らこそ本物のR&Bアーティストというに相応しいでしょう。1作目は、どちらかというと、洋楽への傾倒が強すぎた感じがありましたが(Balladは秀逸でした)、その反動で、2ndは、ちょっと日本風のベタなサウンドに落ち着いてしまっていたのですが、この3作目で、これぞF.O.H！これぞR&Bといえる作品を届けてくれました。音もAKIRA,今井了介、FIRSTKRAS(ZEEBRA+今井了介)、Mr.Drunk、Angela Johnson、Kasaun ”Keyz” Henry、813(DJ YUTAKA ＆ Shingo.S)などのベテランともいえる今の日本のR&Bプロデューサーの中心に人物達に加えて、Tadashi Matsuda, YoYo(from SOFFe)などの新人も多数使っており、全体的に面白い仕上がりになっています。これだけの人を集められるってことが、F.O.Hが本物である証拠です。しかも、今作ではDouble、Rhymesterなど今までfeaturingされてた側の人間をFeaturingして、しかも、それを上回る実力を見せ付けています。さらに、それぞれのソロがあったり（ARATAは、ちょっと違いますが）、いろいろ面白い試みをしていて、しかもその試行錯誤している状態から、このレベルの作品が出来上がるというのは、本当に素晴らしいです。
　特に、「THE RIDE」でのカッコよさ、「Only when you're Lonely」での切なさ・・・「星降る夜は誰のため」でのHIROの素晴らしい歌唱、7〜8曲目でのHIROとDOUBLEのSexyな絡みなど、アルバムの随所に、シングル曲以外に、注目すべき聞かせてくれるところが随所に存在します。しかも、4曲目「"Full" too hot!」での、渋いカッコよさは、秀逸です！素晴らしい楽曲です。
そのほかにも、「Love Song」や、「Magic」など聞かせる曲もあり、どの曲も捨て曲なしの素晴らしい出来です。そして、締めでの「Life Story」が前向きさが、次回作への期待をイヤがおうにも、盛り上げます。トータルとして、いろんな今のF.O.Hを見せてくれる素晴らしい楽曲たちです。彼らの成長も十分に感じることができる、R&Bアルバムです！　
　日本でR&Bがスキだ！というなら、この作品を聞かずには、語らないでください。十分、洋楽が好きな人にもアピールできる、水準の作品だと思います。去年の傑作の一枚ですよ！

(曲解説)

01.Intro 〜THE LEGEND OF THE VIKING〜

航海をテーマにした、3作目を出すという今の彼らのイメージにピッタリの曲。これは、AKIRAによるProduceです！

02.CASINO DRIVE

S.E.Xのカップリング曲だったAKIRAによるProduce曲、彼らしいベタな音使いが印象的！盛り上げるときはしっかりと盛り上げれるのは、彼のトラックの特徴ですね。不思議な歌詞の世界なのですが、どこかつかみ所のなさにカッコよさを感じます。始まりの曲としてピッタリの上げ曲！トラックが重圧なのもAKIRAの特徴ですね。その重圧さに負けないF.O.Hの歌唱力にも感服。しかも、Interludeが付いており、最後のHIRO絶叫が笑える。

03.S.E.X featuring Rhymester

Mr.DrunkことMammy-D率いるRhymesterをFeaturingした、シングル曲。リズム中心のトラックの上でこれほど歌いこめるR&Bアーティストもなかなかいないでしょう。そしてこのリズムに体揺らしながら聞くと気持ちがいいんです。彼らでしかできないスタイルだと思います。しかも、歌詞の世界観が面白く、LiveとSexを対比させて歌い上げていくのは、何度聞いても面白いです。RhymesterのRapも、ベテランらしい硬さがあって、素晴らしいし、彼らのスムーズな韻に負けないぐらいF.O.Hの歌もきちんとビートにあって韻が踏めているのも素晴らしい。

04."Full" too hot!

BLというアーティストがトラックメイキングをしていて、メチャメチャ渋くてカッコいいトラックです！踊りたくなるような一曲。最後の「Bad Boy R&B Style」っていうのは、一緒に歌いたくなります。絶対にLIVE栄えする一曲です。このアルバム随一にカッコいい一曲でしょう。Rapしてるのは、名古屋の方のアーティストらしいです。この人のRapがこの曲をカッコよくしているんですよ！YUTAKAのRapも様になっていますし、コーラスワークもこの曲にあっていて絶品です。

05.Only when you're Lonely

YOYOのトラックで、ARATAがProduceをした切ないバラード。ARATAの歌声がいい感じに曲の雰囲気にマッチしていて、ARATAの歌唱力が上がったのをまざまざと見せ付けられます。3人の絶妙なバランスでの掛け合いも見事です。リリックも、もううまくいってない恋人同士の二人の彼女が好きな男性の、悲しい恋を切なく歌っています。胸に沁みる名曲です。

06.Credit card

お馴染みのKasaun HenryによるProduce！このリリックもS.E.X同様、Credit Cardと、恋の終わりをうまいこと比喩しています。そして、やっぱり、Kasaunのピアノは素晴らしいです！しかもボーカルアレンジメントもこのKasaunが行なうと、F.O.Hのコーラスワークがもう一段上のところに行くのがよくわかります。Smoothでいて、かつ美しい素晴らしいコーラスワークを見せ付けてくれます。それぞれの歌唱力も上がったように感じます。さすが、Kasaun!F.O.Hには、欠かせない存在ですね。

07.Interlude

HIROとTAKAKOがSEXYに囁きあい、次の素晴らしいデュエット曲へと続いていきます。

08.Let Get Together (remix) HIRO&DOUBLE

Angela Johnsonというお馴染みのアーティスト(ソロアルバムを去年発売＆Cooly's Hot Boxのボーカルでもあります。)の作曲で、トラックをおなじみ今井了介氏という素晴らしい布陣！DOUBLEのアルバムにも収録している曲の別バージョンですが、こちらの方がより洗練されたR&Bという感じです。しかも、DOUBLEと、HIROとの掛け合いが素晴らしく、リリックどおりの熱く燃え上がる二人の感情をうまく表現しています。しかも、TAKAKOの後半でのシャウトがSEXYで、見事です。たまりません・・・二人とも最後にかけての盛り上がりは熱いです・・・HIROファンは、若干嫉妬するんじゃないか？素晴らしいデュエット曲です。ぜひ二人で絡んで歌ってるのを見てみたいです。

09.Interlude

YUTAKAが遊び人ぽくZEEBARAと遊びに行きます。しかも、彼女に嘘付いて、まあ、男なら見に覚えがあることですね。ここでのHIROのテンションの低さがあとで、あとでのInterludeの面白さを引き出しています。

10.THE RIDE

あたらしいProduceUnitのFIRSTKLAS(今井了介＋ZEEBRA)による楽曲！これがメチャメチャカッコいい！Deepなリズムトラックにのって、リリックも男を意識していて、CLUBでバリバリ遊んでる、野郎を描いていて、カッコいい〜。ZEEBRAのRapのリリックもマジカッコいいし、ビンビンとブリンブリンっていうのがなんか癖になって、面白い。でも、ここまでHIPHOPなトラックでしっかりと歌えるF.O.Hは、もうちゃんと独自のスタイルを確立したなーと感じます！こういう感じでどんどんいってほしい！

11.Outro

HIROのハチャメチャっぷりが最高に面白い一曲。なんで、こんなテンション高いんだ。しかも、帰ろうとする二人に向かって「なにやってんの？」っていう言い方がおかしすぎます。このアルバムでも一番面白いところ。今作ではHIROは、お笑い役みたいですね。

12.Who's that?〜3Men鏡

DJ YUTAKA率いる813と、F.O.Hの合作。ここで、もう一度盛り上げておく一曲。このダンスチューンがかなり軽快で気持ちがいいし、盛り上がりやすい！そしてリリックの面白さもあります。

13.星降る夜は誰のため〜crazy for you

HIROとおなじみTonyVoice Production今井了介による素晴らしいバラード。HIROのソロ曲であり、元カノへの切ない思いを歌い上げていきます。PianoのKasaunと、Talking ModulaterのHitoshi Terashimaがいい味を出しています。そして、最後でのHIROの熱唱は、これぞSOUL!といわんばかりの感情むき出しで、聞いてるこちらの胸が痛くなります・・・これぞ、R&Bアーティストのバラードでしょう。名曲です。

14.Magic

Kasaun HenryによりProduceされた一曲で、Magicというタイトルに相応しいふわふわとした雰囲気をもつトラックです。ここでもARATAの歌声が耳に残ります。本当にARATAは歌うまくなりましたよね。コーラスも美しい一曲です。

15.Love Song

今井了介氏と一緒にバラードをやってみたいというF.O.Hの要望から出た一曲。このアルバム随一のボーカルグループとしてのバラードです。コーラスワークも、掛け合いも見事だし、リリックも離れ行く人への思いをうまく表現できています。ピアノがいいです、この曲は。

16.my soul

YUTAKAのソロ、トラックはYOYOです。このRapとも歌とも付かないYUTAKAの歌唱法が面白く、この歌があるおかげで、このアルバムの幅がグッと広がった一曲です！リリックもYUTAKAらしい熱さが伝わってくる一曲です！

17.Life Story

彼らのこれらの代表作となるであろうこの曲で締めくくり！これまでの彼らの道のりそのものの歌です。リリックが等身大で凄い身近に感じるし、どの世代でも共感できて、励まされる素晴らしい歌です。素晴らしい名曲です。