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DOZIE / Redemption

01.Uwa Ke
02.Gabriel's Lounge
03.Soldier
04.Sensuality
05.Onwu Obi
06.Redemption
07.Nowhere
08.Home
09.Heaven Knows
10.Magdalena
11.Tar

jacket

(総評)

インディーソウルのレビューはひさびさ!CD BABYというサイト以外では買えないみたいなのですが、物凄いいいのでご紹介!DOZIEというこのイングランド出身のアフリカ系のアーティストは、マルチミュージシャンであり、自分でピアノ、ギター、ドラムプログラミングとほとんど全ての楽器を自分でこなせてしまうアーティストであり、枯れたような美しく淡い歌声が聞くものをじわじわと引き込んでいきます。父親がナイジェリア出身ということもあり、曲のタイトルやアルバムのタイトルにはナイジェリア語がかなり使われているため、歌詞の意味などは半分ほどわからないのですが、そんなの不要なほどの彼は歌声に魂を込める術をしっているのです。まさに切ないバラードを歌うために生まれてきたような男です。そうして、曲調においてもとても美しく切ない物が多く、その切なげなサウンドには誰もが心揺さぶられることでしょう。聞くほどのその美しさに吸い込まれていくような、美しい芸術作品を見ているような誰もその中に入れないそんな強さももった一枚です。美しさに吸い込まれる・・・その感覚を味わうことができる数少ないアルバムです。
 なんといっても、1曲目〜3曲目での切ない曲たち!特に1曲目のピアノからの切なさはもうホント久々に泣けるほどの名曲です。曲のメロディーもピアノも、DOZIEの歌声も全てが切なく、声を発しただけで回りの雰囲気をどこか儚げにしてしまう力があります。あまりの美しさが何者をも立ち寄らせないほどの美しさを持っていて余計に切なさを増していっているのです。そして、最後の11曲目での人を拒絶するかのごとく美しさ・・・美しすぎて、そのほかに何も入れないようなそんな芯の強さをもった美しい曲が、ただただ聞くものの心に感動と切なさを与えてくれます。これほどまでに、甘美でいて切ないアルバムは他に無いでしょう。1曲目は2004年のBEST曲と入っても過言ではないできです!
 中ジャケの海辺を歩くDOZIEの写真があるのですが、その海辺が太陽の光が差込んで美しすぎて・・・このアルバムの良さをジャケ写からも引き立てています。なんか都会の喧騒に疲れたり、日々の生活に疲れたときふとこんな一枚を聞いたら絶対泣いてしまうことでしょう。ぜひ手にして欲しい一枚です。

オススメ:(1),(2),(11),(3),(4),(5),(6),(8),(9)

(曲解説)

01.Uwa Ke

名曲中の名曲!イントロの本当に華麗で美しいピアノにノックアウト!これほど流れるような美しいピアノのイントロは聞いたことがありません!しかもDOZIEの少し淡い歌いっぷりが、もう切なさ満点!もう泣くしかないですよ!涙無しには聞けない一曲です!これほどまでに、美しい曲は聞いたことがありません。甘美な匂いも感じさせながら、あまりの美しさに絶望感さえ感じさせてしまいます。本当に切ない切ない一曲なんです。もうこのピアノメロディーが聞けただけで、幸せです。2004年のNo.1の名曲です!途中でアフリカのどこかの言葉の語りが入るのですが、それがもうこういう雰囲気のある語りがある曲って本当にひさびさでいい気持ちにさせてくれて、そこからの畳み掛けるようにDOZIEの切ない歌声がどんどん迫ってきて、そこにさらにピアノが追い討ちをかける!もう・・・心をえぐられるようです・・・名曲ですよ。

02.Gabriel's Lounge

1曲目の雰囲気を湛えながら、しっとりとしたアコースティックギターが切なくも優しく包み込んでくれます。その中でDOZIEもSweetな歌声を聞かせてくれます。本当にこの人の曲展開ってツボで、フェンダーローズが途中で、優しく音をかなでたり、いちいち切なさを倍増させてくれるのです!もう、心に染み入るとは彼のようなアーティストのための言葉といえます。徐々に力をこめて歌うとかすれていく歌声も切なさを倍増させ、そこを一歩引いてしっとりとした感じのコーラスをいれたりして、もうたまらない曲へと仕上げています。彼の曲ってしっかり最後を締める感じで、一度消えていった音が、最後には合わさって劇的な曲の終わり方をしていくのも、感動を広げてくれます!最後のストリングスの感動的なことといったら涙が出ますよ!そこに女性のボーカルがすかさず絡んでしっとりと締めてくれる・・・たまりません。

03.Soldier

この前半3曲で完璧にやられます。R&Bらしいしっかりとしたリズムトラックにシンセの音が絶妙に絡み合い淡く切なくDOZIEが歌いこんでいきます!前の二曲よりも切なさよりも優しさに満ち溢れたボーカルとコーラスの絡み合いが見事で、しっとりと歌い上げるコーラス(多重録音による自分の声)の中で自由に気持ちよく歌い上げていくDOZIEがカッコいい!そうしてこの曲でもあるのですが、一度音が止まったりする効果をよく使う人なのですが、それがまた曲の雰囲気とあっていて、一度音が止まることで、グッと今までのメロディーが心に染み渡ります。最後のシャウトが微妙に枯れた声で、たまんないんですよねー。良い曲ですよ。ホント!

04.Sensuality

ここで曲調が変わり、低音のビートが効いたリズムトラックにのってシットリと男女で歌い上げていきます。単調なサビのメロディーでありながら、サックスなどが絶妙に絡み合うことで、聞いてて飽きない展開に仕上げています。この男女に伸びやかなボーカルの掛け合いもステキで、しっとりとしっとりとじわじわと心に染み込んでいくように歌いこんでいくのが、たまりません。

05.Onwu Obi

ここでも美しいピアノの音色を聞かせてくれます。今これほどピアノで美しいメロディー作れるアーティストって少なくなってきているので、本当に貴重な存在だと思います。しっとりと歌い上げていくのですが、彼はゆったりとしたフレーズの中にも、繰り返すように美しいメロを使うことで、聞くものをどんどん引き込んでいきます。

06.Redemption

タイトル曲でもあるこの一曲は、ちょっと今までと雰囲気が変わってどこか力強さをもった芯の強いサウンドに、DOZIEも力をこめて歌い上げていきます。でも、どこかやはり切なさがあって、彼の歌声自体の素晴らしさ、天性の切なさを表現できる素晴らしさ、それを肌で感じ取ることが出来ます。ここでもサビのメロディー展開がステキで、じっくり聞いてしまいます。

07.Nowhere

ちょっとJazzyなイントロのギターが面白い曲なのですが、そこからテンポよくギターがメロディーを奏でていき、心地よいイントロに引き込んでいきます。このギターのメロディーが最後まで鳴っていて、こういうところが彼のサウンドの特徴で一度おっと思わせたメロディーをしつこいぐらいに使い癖にしてしまいます。

08.Home

珍しくアフリカンそのものな太鼓の音色が今までの曲と違い面白いのですが、そこと上手くギターをうまく組み合わせるあたり、ギタリストとしてのDOZIEの凄さもうかがわせる一曲!普通合わないですよ、ギターと太鼓なんて・・・。そこからあくまで切なげに歌い上げていくのだからホント切ない曲を歌わせたら天才的です。ここでは低音の語りがまた入ったり、ストリングスが鳴り響いたり、切なくも面白く曲が展開していきます。

09.Heaven Knows

ソウルフルなサックスが見事なイントロ!このサックスで一気に目がさめますよ。サックスと男女のボーカルの絡みがこれほど美しく甘美だとは・・・たまらないエロスと美しさをもった曲です。あくまで枯れながらも美しいDOZIEの歌声を引き立てるように、キレイな女性ボーカルが守り立てます。うーんいいねー。この甘美さ!気持ちがよすぎです。こんなの聞きながら眠りに入りたい一曲です。

10.Magdalena

今までのメロディー重視からリズム重視なトラックが展開していきます。ちょっとずつ唸るように力を込めていくボーカルが切なくてたまりません。余計な楽器が少ない分、彼の歌声のSweetさや切なさがストレートに伝わってきます。

11.Tar

最後はやはり切ない一曲で締めてくれます・・・恐ろしいほどの何もいない静かな湖に、水滴が落ちるかの如く、ピアノが静かに響き、そこで静かに佇むようにDOZIEが歌い上げていきます。本当に美しい歌とはこれほどまでに人の心に刺さるものなのかと、静かでいながらも、強烈な刺激を心に与えてくれる一曲です。美しいってこれほど人を拒絶するというか、その美しさ以外立ちよさせない強さを持っているのかと、改めて考えさせられました。そして、それと一体となって最高に切ない歌声とシャウトを聞かせてくれるDOZIEの歌のうまさとか魂の込め方に感動すら覚えます。聞いた後に、涙が出そうになりますよ。

(Producer)

All Produce DOZIE

(Musician)

DOZIE:Lead Vocal, Piano, Drum Programming, Rhodes, Wurlitzer, Clavinet, Guitar, Synths

(LINK)

http://www.dozie.com/, http://www.afrisoul.com
CD BABY Order
☆☆☆☆☆☆(美しすぎる名盤)

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