CIMBA / Primeira
02.Love
03.ASTRO☆BOY feat.PHOXY CAMEL
04.Um Dois Tres Quatro feat.丑神
05.刎頸の君へ feat.KEN-RYW & SI-RUDE
06.diary (Interlude)
07.This is Who I am
09.香水 feat.宏実
10.How Sweet
11.B-BOY STANCE feat.Double S, 吉門映美 & DJ 1,2
12.ファベーラ
13.Better than cool
(総評)
ついに、東京のR&BとHIPHOP界隈をにぎわしていた、CIMBAがアルバムデビュー!以前のVery Phat Soulの頃から、また表現力が増したその歌声でHIPHOPサウンドや、彼の出身国でもあるブラジルの要素など、彼にしかできない作品がリリースされました。
HIPHOP CREWとの相性の良さは、DAY TRACKのアルバムでも証明していたので、前半の盛り上がっていく感じはさすがだなーと感じさせます。特に1〜4曲目にかけての盛り上がりっぷりは普通にフロアで聞いても盛り上がってしまう、勢いがあります。特に1曲目「プリメイラ」のR&BのUPサウンドと3曲目の「ASTRO☆BOY」の日本的なPOPSさとHIPHOPやR&Bのかっこよさを織り交ぜたような勢いは、CIMBAだからこそ出せる味なのかなと思わせます。さらにCIMBA自体は多くをブラジルという地で過ごしていて、そのリアルな体験に基づいた12曲目「ファベーラ」に代表されるような多国籍な感覚というか、日本人では出せない部分っていうのも持っていてそこをしっかりと自分らしさとして見せてくれているところは、今後の方向性としてもとても面白いなと思わせます。ハーフの人とかはよくいますが、日本の歌謡曲の世界に染まってしまっていてはまったく意味がなくそこを取り入れつつ自分のよさやルートをどう見せれるかが鍵でもあるからです。そこの見せ方は本当にすばらしいと思います。
特にやっぱり9曲目「香水」でのCIMBAと宏実の二人の絡み合いや切ない歌いっぷりが見事で、このアルバムのハイライトともいえる盛り上がりを見せてくれます。そしてこの曲での一気にR&B色が強くなって、この後からのバラードが生きてきます。そのほかは、全体的に盛り上がる曲が前半は多くて、9曲目「香水」10曲目「How Sweet」を聞くともっとこういうバラードをもっと聞きたいなーと思います。彼は語りとかをやったりするのですが、これは今までの日本のシンガーではやりえなかったことのひとつです。なんだろう、ちょっと陳腐に聞こえてしまうところを彼が語れば、しっかりと心に届く言葉として発せられるのです。伝えたいことをしっかりと語れば日本語でも決して陳腐じゃないって言うのをしっかり証明してくれています。そして、このアルバムのほとんどをProduceするT-SKのトラックメイキングも、すばらしく、アルバムを通して聞けるように仕上げています。若手のR&Bシンガーの中でもアルバムの完成度という点でも頭ひとつ抜きんでているなと感じさせる聞いておくべき一枚です!
(曲解説)
01.プリメイラ 〜First Lady〜 feat.FRG
一曲目らしい前向きな歌詞で、詞の世界がとても印象的です。アップサウンドを見事に歌こなすのはさすがですね〜!世界中の誰よりも愛する人を思うその言葉選びがとても面白くシンガーとしてもCIMBAの成長を感じさせます。歌詞がいい曲です!最後にかけての盛り上がるフェイクも彼の勢いを感じさせます。
02.Love
シンプルなトラックにのって、美しいメロディーの歌を歌ってくれます。言葉の音への乗せ方がなかなか日本人にはいないタイプな気がします。こういう落ち着いた曲調でこそ、彼の歌声の繊細さというかそういうのが出てきますね。
03.ASTRO☆BOY feat.PHOXY CAMEL
盛り上がるけどR&Bらしさと日本のPOPSが交じり合った面白い一曲!タイトルも面白いですが、なんといってもサウンドとそのメロディーラインがなかなか遊び心があふれていて、楽しんで聞くことができます。ラブバラッドをじっくり聞かせるのを得意としていたのかな〜と思っていたのですが、CIMBAは結構フロアでも盛り上がれるような曲がしっかりと歌えるっていうのを改めて再認識させてくれます。かっこよくのって聞けます!こういうアップサウンドでもしっかりとフェイクとかをいれてくるところはさすがですね〜。アトムとかが出てくるのは、日本にいるとこういうアニメみたいなものも自分の文化のうちの一つであることは確かなので、コンセプトが本当に面白いですね〜。
04.Um Dois Tres Quatro feat.丑神
丑神をfeatした軽快なフロアサウンド!しかもラテン系のサウンドで、ブラジルの血を引くというCIMBAの多国籍な雰囲気をうまく引き出しています。このラテン系のサウンドでR&Bを表現できる日本のシンガーは彼しかいないかもしれませんね。丑神のラップも非常に面白くて、アクセントになる一曲になっていますし、このアルバムが純粋なR&Bアルバムというよりはフロアライクな部分をかなり意識した一枚ということを感じさせます。
05.刎頸の君へ feat.KEN-RYW & SI-RUDE
T-SKの和風なトラックがいいアクセントになっている、素敵な一曲!とても真摯な歌詞が心にしみる一曲になっています。派手さはないけどとてもいいなーと思わせる一曲です。どこまでも伸びていくような美しい後半のシャウトが見事です。
06.diary (Interlude)
こういうインタールードをできるのはすごいです!日本語の語りでこういうInterludeを作れるR&Bシンガーが現れたか〜とかなりうれしくなりました!こういう語りって大事ですよねー。しかも意味がちゃんと伝わるって大事ですわ!
07.This is Who I am
語りのInterludeからこういうHIPHOPトラックにいくとは思いませんでしたが、かなりかっこよく纏め上げた一曲になっています!思わず体が動き出すようなダンサブルな曲で、サビのメロディーも面白い一曲になっています!
08.Soulman
Soulmanというタイトルにふさわしいトラックにのって、じっくりと歌いこんでいきます。アップサウンドも軽めの歌声で歌えるのでいいのですが、こういうシンプルなトラックでじっくり歌声を聞かせる曲をもっと多く聴いてみたいですね!
09.香水 feat.宏実
スタイリスティックスのサウンドをサンプリングして、しっとりとした曲を女性実力派シンガー宏実と一緒に見事に歌い上げてくれます!この歌が本当にやばいですねー!二人の切ないリリックもさることながら、香水というあえて日本語のタイトルで、見事に日本人らしい情景の深さを表現しています!最後の二人の絡み合いもすばらしい一曲ですね!2007年のデュエットの傑作でしょう。
10.How Sweet
Make Loveな雰囲気をそっと奏で歌うCIMBAの歌い方が実にSEXYで、曲の雰囲気にもあっていて、素敵な一曲です、このアルバムこういう素敵なバラードも入っていてとてもアップとバラードが両極端に入っています。もう少しこういう素敵なしっとり系のバラードがあると素敵なんですけどねー。
11.B-BOY STANCE feat.Double S, 吉門映美 & DJ 1,2
いやー、一気にアップサウンドで、盛り上げます!フロアライクな曲で盛り上がれます。いろんなアーティストと作っていて、
12.ファベーラ
子供の声がなんともかわいらしい!こういう平和を祈る曲って日本では少ないので、とてもこういうコンセプトの曲をそして、子供の声とともに作ったことは、すばらしいですね。それにこの曲のあったかい感じがとても素敵なんですよ!もともと日本でそだっているわけではないCIMBAだからこそ出せるリアルな海外の現状を訴えるその真に迫る雰囲気が心に訴えかけます。
13.Better than cool
アルバムの最後は、ゆったりとしたスロー曲。体がゆったりと揺れて、しっとりと聞けます。メロディーがとてもしっかりとしていて、そのメロディーにフェイクで絡めていくCIMBAのセンスを感じます。パワフルな歌い方をするときの力み方がとてもかっこいいシンガーです!
(Producer)
T-SK:(1),(2),(3),(4),(5),(6),(7),(8),(9),(10),(13)Double S:(11)
T-4:(12)