Amerie / All I Have

(概説)

非常にマッタリした雰囲気をアルバム全体から醸し出している1枚。暗さの中に光る渋さと気持ちよさが最高です。艶やかなVocalに、ループトラックがしっとりと盛り上げる好アルバム！ぬきんでた一曲というのはなくて、もちろん派手さもないんだけど、地味な良さがあるバラード集です。不思議と引付けられる彼女の艶やかな歌声がおもしろい。綺麗なトラックで美しい歌声で歌うような上品な一枚ですね。この一枚からは上品さとか、美しさという形容詞がぴったりな雰囲気が漂ってきます。家でしっとりしたいなーという人にはオススメです！
本当に一本の芯が入ったように、統一感がある、あえて現状のシーンとの隔離を図っているのには、成功していると思います。それほどに最近では珍しく独自性をもったアーティストだと思います。HIPHOPっぽくJAZZYな感じで仕上げて暗めで仕上げたアーティストは何名か見かけますが、こういう美しくまとめるのは、挑戦的だと思います。HIPHOPをうまく消化したR&Bアーティストでしょう。彼女は、あのNasとの一曲『Rule』というのがあるのですが、そこでも美しい歌声を披露しています。
聞けば、聞くほどに味わいが深くなっていくようなそんな渋い一枚です！
オススメ:(1),(5)

01.Why Dont We Fall In Love

シングルカットされている、美しいピアノのトラックの上を力強くかつ美しく歌い上げる好楽曲！息遣いも深く深く聞き手を引付けます。サビでの盛り上がり方も、曲の雰囲気を壊さずに、あざとくならない様にしっとりと盛り上げています。楽曲をつくる能力に長けているのが、この一曲を聴いただけでよくわかります。

02.Talkin To Me

ドラム音を効果的に使いつつ、フレーズのループが気持ちが良い！そして、ちょっとしたボーカルの変化など、この人の歌のうまさを表すメロディーがたくさんでてきます。地味な曲なんだけど、いいんですよねー。ゆったりとした気持ちで聞けます。

03.Nothing Like Loving You

サビへの盛り上がり方がなんとも美しく丁寧な一曲。カッコよくも美しい微妙な線の上を彼女は見事に歩き続けています。気持ちが良いフレーズを自分のペースで歌い続けているような、そんな感じです。

04.Can't Let Go

最初の一気に音がでて始まる感じがカッコいい！さらに、ここでは少しFUNKっぽい感じで、声を荒げて歌いっていてカッコいい。でも、コーラスはあくまでもしっとり決めています。

05.Need You Tonight

ドラム音の低音が響き渡るカッコいい出だしから、SOULでカッコいい一曲へ。サビでのファルセットと、ドラムの低音がうまい具合にお互いを引き立てています。彼女の熱唱も曲を盛り上げています。このアルバムの中でも一番カッコいい仕上がりの曲です。

06.Got To Be There

HIPHOPでよく使う子供っぽい声のサンプリングから、流れるような重圧なコーラスがカッコいい一曲。このサビが全てですね！ほんとに良い曲です。重圧なんだけど、疾走感が溢れるサビのコーラスがいいです。バックで流れるJAZZ PIANOっぽいフレーズも、ひそかに重要な位置を占めています。

07.I Just Died

どこか物悲しさをもった、ファルセットで歌いつなげる一曲。徐々に厚みを増していくコーラスも彼女を盛り立てます・・・音数の少ないバックトラックもこの曲の悲しさを引き立てているなー。本当に彼女のファルセットは美しいです。綺麗その言葉が一番ぴったりくる歌声。

08.Hatin' On You

電子音からはじまるが、それを覆い尽くすようにボトム音が鳴り響く。「U,U,U」というような、繰り返しのフレーズの上で、跳ねるようにシャウトを繰り返していく感じが彼女の好きな曲展開なんだなーと改めて認識させられます。押さえ気味にカッコよくまとめている一曲。

09.Float

ピアノフレーズが美しい〜。そして、彼女の語りがあり、それもさまになっている。ファルセットの曲の中での入れ方が嫌味になっていないところも、好感が持てる。とにかくこの曲はピアノですね！

10.Show Me

他と変わりばえがするというわけじゃないんだけど、やっぱりなんか美しい曲なんですよねー。うーん、どの曲もいいわ。最後のシャウトは熱いです！

11.All I Have

タイトル曲ですが、やはり派手さはないんですねー。しっとりしっとりと、美しい音が満載な一曲。Amerieも押さえ気味にしっとりと歌い上げていきます。美しくも熱い歌いっぷりが見事である。たまにFUNKYに歌い上げたり、ファルセットを用いたり、自由自在である。バラードとしての完成度は素晴らしい〜。

12.Outro

Outroと名打っていますが、しっかり歌っています。